嫌いなんだ。
明治を賛美するわたくしですが、どうにも好きになれない男がいます。
山県か? 伊地知幸介か?
いえ、
三島通庸です。
「土木県令」とか「鬼県令」といわれた人。しかも薩摩人!
とにか酷い。
この人がいなかったら福島事件も加波山事件も
起きなかったんじゃないかな。
それぐらい非道い。
薩摩には「絵に描いたようなボッケモン」という言葉がありますが
三島通庸は「絵に描いたような」嫌な鬼です。
明治十六年からの栃木県令のとき
十八番の強引横暴非業の強腕で下都賀郡乙女村の道路工事をやった。
その労働力に農民住民を徴用するのですが、
出られない者には一人一日25銭を上納させるという念の入れようです。
さすがは鬼です。始皇帝もびっくり。
当時の日雇い賃金が一日10銭ぐらいでしょうか。
払えるわけがないのです。明治十六年の栃木県の農村部ですよ。
当然、騒ぎとなります。
三島は巡査を使って殴る蹴る逮捕で制圧します。
リーダーの妻を捕らえて小川署内で全裸にして拷問したという。
この妻は出産したばかりで産褥にあったという。酷い。
おかげで、乙女村は無人化したそうです。
はたして、これが、有能な官吏といえるのか
はなはだ疑問なのですが、
どうでしょう(涙)。
悪代官!三島通庸(1)