あかんたれブルース

継続はチカラかな

あ〜あ 嫌だ嫌だ



わたしの夢の話でしたね。えっ違う?

そういわずに聞いてよマキさん(誰よ?)

不思議な夢で夢のなかで眠くなって寝ちゃうんです
すると夢をみて
また眠くなってその夢の中で寝て、また夢をみる。
で、起きるんだけどそこはまだ夢のなかの夢なんだな。
おかげで現実世界に戻るのに往生しました(汗)

恐くない?
・・・じゃあ、恐い話ね。
しかも摩訶不思議な・・・


先々月、文春の「龍馬梅毒説」の記事を病院の待合室で読んで
すっかり嫌気がさした件はお話しました。

加治将一著『あやつられた龍馬』は以前読んだはずです。

冒頭から「龍馬はスパイ」だった、という挑発にのって
坂の上の雲スパイ大作戦』(徳間書店)執筆の原動力となりました。
今年の晩秋に徳間から発売されます。そのときはひとつよろしくお願いします。

さて、この加治さんの本は「フリーメーソン」陰謀説本です。

読んでいて、そこまであるかなあ・・・と思いつつも
しかしよく調べている。と感心したことも確かです。
感心はしたけれど、まあそこまでだったんでしょう。
結局後半の三分の一ほど残して図書館に返してしまった。それから時は流れ

一昨日、読み返す機会があって
読み損ねた後半も読んだわけです。そして激怒した。血圧も血糖値も多分上がったことでしょう。

それは加治(フリーメーソン)陰謀説の延長線から
「あやつられた龍馬」の末路というか暗殺の真相です。

龍馬暗殺の犯人は現在でも謎です。
新撰組とか色々ありますが
加治陰謀説では
武力倒幕派が無血平和革命論者の龍馬が邪魔になって暗殺したという。
まあそこまでは許せるとして、
その下手人を中岡慎太郎としている。意外といえば意外。

一番意外だったのは龍馬だったでしょう。
「中岡、お前がか?」

不意をつかれた龍馬は混沌する・・・


しかし、じゃあ中岡はなぜ?
龍馬も中岡も数十箇所の刀傷があったわけです。
二人で斬り合ったわけ?

その疑問を加治陰謀説では三人の見張り役
谷干城土佐藩)、田中光顕(土佐藩・陸援隊)、白峰駿馬(陸援隊)が
斬りきざんだとする。拷問したんだと。
幕府の動きを吐かせるために。

そりゃあ、無理筋ってものですよ。
しかも中岡まで(汗)。

「たしかにそういう設定ならば、二人に無数の傷が残っていたとしても不思議ではない。

とするけど、ふた昔まえの安手もテレビドラマや漫画でも
そういう設定は没になると思うんだけどなあ。
わたしは谷干城はあまり好きじゃないけど、これじゃあ谷も可愛そう。

なんか脱力です。

いやね、グラバーがフリーメーソンだったという加治説は納得する。
幕末の英国の存在もそうだった思う。
でもその説を読んで、しかし少しフライング気味かなあとも感じていた。
そして最後のオチがこれではせっかくの労作を自ら墓穴を掘って埋めたようなもの。

なんでこんなことをするの? 

まあ自説を正当化するための辻褄合わせなんだろうけれど、
別に龍馬暗殺の下手人まで暴露する必要もなかっただろうに・・・

それは
すべての暗殺陰謀の黒幕を杉山と示唆する
掘雅昭著『杉山茂丸アジア連邦の夢』も同様です。

仏造って魂入れず。ならまだしも、
臭い手前味噌を詰め込んだようなものです。

どこか陰謀説提唱者の「S」があるよね。

それは左翼革命家の太田竜が現体制や天皇制に対する怨念だったり
鹿島昇から派生した者たちの呪詛のように
文面から溢れるでてくる。

今時流行りのスルーで事足りるのかもしれないけれど
なんというか不可思議な現象です。
わざとやってるのか?
それとも意図的にやっているのか?

編集者もついていただろうに、それでも通ってしまう暴論。

わたしが一番恐いのは偽装官制歴史の問題点よりも
日本人の読解力、想像力、考察力の低下じゃないかと恐怖に震える。

しかし、なんで加治さんは最後の最後でこんな墓穴を掘るのか
摩訶不思議だった。