あかんたれブルース

継続はチカラかな

実はそれも



加治将一氏の失態から、
そのフリーメーソン説をすべて否定するものではありません。
「はじめに結論ありき」で強引だったのでしょう。

鹿島昇氏から鬼塚英昭氏の、また太田竜のそれに比べたら
良心的で微笑ましくもある。

すべてをフリーメーソンのせいにするから無理があるのだと思う。
フリーメーソンは存在するだろうし、野望や戦略もあるでしょう。
それはユニクロだってソフトバンクだってあるわけで
アメリカだって中国だってロシアだってあるし
わたしにだってある。

問題はあってもなかなかそうは問屋が卸さないわけです。

加治氏もフリーメーソンは複数多数であって
一枚岩じゃないっておっしゃていた。
ユダヤ系財閥だって一枚岩じゃない。
関東二十日会や関西二十日会が一枚岩じゃなかったように。

日本でも三井と三菱が政治家と連んでいても互いに牽制し対立していたわけです。
民間グラバーの意向と政府のハリスやアーネスト・サトウ
思惑も違ったでしょう。

同じキリスト教でもカソリックプロテスタントの対立は深刻です。
頑迷な教会の存在が科学者や技術者の頭のタネだったことは理解できる。
以前、記事にしましたが
19世紀に古典物理学の壁を破るのに苦労した。
なんとその突破口は青島から持ち帰った『易経』がヒントとなったようです。
東西は衝突するだけでなく融合もするんですよね。

ユダヤ人財閥の陰謀というけれど、
ロックフェラーはユダヤ財閥じゃない。
(実は裏で繋がっているんだ。というかもしれないけれど)

その意味では落合説の英国ワンワールドも同じです。
そういった権力者の集合体なので無理は少ないとは思いますが、
中国に中華思想ワンワールドがあるし、ロシアにもアメリカにもあるでしょう。
バチカンだって華僑筋だって中東だってある。
(実は裏で繋がっているんだ。というかもしれないけれど)

その配下である薩摩ワンワールドの首領は上原勇作に引き継がれます。
たしかに先代高島鞆之助よりも切れるし有能で冷徹だ。
影の首領の風格はある。

けれども、彼が陸軍大臣だった時、参謀総長時代、どうだったか。
これまで支那通軍人の実態と変容を紹介したように
それぞれが勝手に行動してしている。
(実は裏で繋がっているんだ。というかもしれないけれど)

では、張作霖爆殺事件の黒幕だという上原君に問う。
その結果どうなったか。
そして軍組織はさらなる混迷と混乱と抗争と暴走を極め
石原莞爾があれほど反対したのに支那本土に攻め入ってしまった。
これだって本気じゃなくてブラフだったのですが
自ら泥沼です。

上原勇作の阿片事業の関わりはあった。
でもそれも国策の一貫です。
収益のほとんどは関東軍の機密費に使われたといいます。
もしそれを薩摩ワンワールドの運転資金に活用したらそれはそれで問題。
また、日英同盟破棄に至ってはどう責任をとるのかと考えてしまう。
(実は裏で繋がっているんだ。というかもしれないけれど)

なんにせよ、日本は英国とも中国とも米国とも、世界を相手に戦争して
最後はソ連に寝首をかかれて国家存亡の危機、いや存亡となった。
第二次大戦以降の英国の凋落もはなはだしい。
東西冷戦を経てソ連は崩壊した。
まさに一寸先は闇です。

それと、満州絡みで甘粕正彦も上原勇作の配下だったとする説。
これはたぶん阿片事業に絡んでのことでしょうが、
傷心の甘粕が満州に渡ったのは昭和5年です。
上原が参謀総長を辞めるのが大正12年。死去するのが昭和8年
まったくなかったとはいいません。でも、その限りじゃない。
甘粕が気を使ったのは東条英機でしょう。
そして石原莞爾の間で悩んだ。
それ以上に、甘粕は個人的に悩んでいた。
甘粕に薩摩云々とかそんなものは関係ない。

晩年の上原の秘書官を勤めた今村均の記録があります。
陸軍内では読書に耽る煙たい「頑固親爺」として敬遠されていたようです。
(実はそれも・・・)