あかんたれブルース

継続はチカラかな

サン・ピエロ・トロ寺院の鐘の音

○みゆき嬢のララバイ(18)

思い出の部屋に 住んでちゃいけない 古くなるほど 酒は甘くなる
えらそうに俺が 言うことでもないけど 出てこいよ さあ 飲みにゆこうぜ

かまれた傷には 麻酔が必要 俺でも少しは 抱いててやれるぜ

思い出の船を おまえは降りない 肩にかくれて 誰のために泣く
まるで時計か ゆりかごみたいに ひとりで俺は さわぎ続ける

飲んでりゃ おまえも うそだと思うか
指から 鍵を奪って 海に 放り投げても

飲んでりゃ おまえも うそだと思うか
指から 鍵を奪って 海に 放り投げても

飲んでりゃ おまえも うそだと思うか
指から 鍵を奪って 海に 放り投げても

 
 今流れている日本酒のCMで親爺の在るべき姿を謳っています。
 チョイわる親爺はこんな能書きで悦ぶのでしょうか?
 でも、これも嘘です。

 「古くなるほど 酒は甘くなる」

 二十年、三十年もののスコッチの甘さを説明するよりも明確な歌詞。
 大吟醸で削り落とされたものは贅肉か、それとも記憶か魂か。
 
 そんな「いい親爺」に成るための能書きよりも

 「出てこいよ さあ 飲みにゆこうぜ」

 こんな風な台詞を自然に言える親爺のほうが素敵です。
 男は黙って辛口。と、相場は決まっていましったけ。 

 「ピエロ」 1979
 危ない危ない、サッポロビールと書きそうになりました。