あかんたれブルース

継続はチカラかな

狐に化かされて南米トリップ一泊二日







 明け方に、目覚めてしまって、そのまま

 目が醒めてしまうときがあります。歳ですかね、眠るのにも体力が要る。

 早起きは三文の徳。ウォーキングでもしてみますか。

 明け方の人通りのない道。

 遊歩道をテクテク歩いて、いつしか大学病院の敷地にある公園に入ってしまった。

 こういうシチュエーションになると私はよく狐に化かされる(苦笑)。

 以前も赤坂図書館の前の公園でやられた(汗)。あっ、デジャブ

 
 どこからか声が聞こえた。誰もいないはずの明け方の公園。

 確かに聞こえる。

 祈りのような呟きが・・・




   
   今日一日を穏やかで過ごせますように

   悲しみ 苦しみを しっかりと味わいますように

   喜びを感じますように

   

   正当に 怒れますように

   そして 憎しみは 我が身を殺すことを 知っていますように


   今日一日を 真摯に過ごせますように





 誰だろう。

 声の主を探して、ハナミズキの裏側の芝生にほうにまわってみました。

 そして、その祈りの言葉をもう一度自分のなかで繰り返してみる。

 「正当に 怒れますように・・・」
 
 知っている。この人は知っている。だけど
 

 はっ、狐に騙されたしまっているのかな・・・





 私はどこかの荒野に迷い込んでしまった。

 標高も高いようです。少し、息苦しい。それより、寒いな(涙)。

 視界の先にひかえめな黄色い花が咲いている。なぜか遠目が利くよ。

 あれはトマトの花だぞ。原種のような素朴さ。というかヨレヨレ

 するとここはアンデス高原? そんな(汗)

 声の主はこのトマトの花だ。 (完全にトリップしてるな)

 ああ、それにしてもなんて健気で切ない祈りでしょう。


 そんな思いに駆られて見守っていたのです。すると向こうから人影が近づいてきた。

 誰だあ? 公園の管理職員?

 ビニール傘を持っている。朝帰りの酔っぱらいでしょうか?

 あっ、彼奴はチューリップ親爺だ。こんなところまで迷って出たな!

 バカ親爺がトマトの花に目をつけて傘を振り回して近づいてきたぞ。

 蹂躙されちゃうよ、お花ちゃん絶体絶命。

 手頃な石をみつけて投げてやった。命中! 

 頭から血を流してぶっ倒れてしまった。泡吹いている。はは、ざまみやがれ。


 さて、どうしよう。親爺じゃないよ。この花のこと。

 ここは岩山の影になって日当たりも良くないし、風通しも悪い。
 苗木ごと連れ去ってしまおうか。また親爺が来るかもしれないし。

 どこかでやめろと声がする。見上げれば椋鳥が一羽二羽、三羽四羽・・・

 私は聞かない。

 お生憎様、お節介が性分でねぇ。浪花節が趣味なんだよ。

 さて、何処に行こうか。何処に行きたい?

 取り敢えず、温かいところに 行こう。



 天に意志があるとすれば、

 私の行動も天の意志。忠恕で往きます。悪しからず。
 罰なんか恐くないもんね。