あかんたれブルース

継続はチカラかな

国と民族の特性

戦争と平和(2)



 満州事変の首謀者、石原莞爾
 この人をどう評価するかは意見の分かれるところです。

 東条英機と対立したことから予備役となって、敗戦時の東京裁判では
 証人喚問はされましたが、裁かれる側にならなかった。

 彼は、二.二六事件では「制圧」と毅然な態度で臨み。
 満州事変は画策し、行動しながら、支那事変は大反対しました。暴挙だと。

 このことから、善し悪しは横に置くとして、
 彼の軍人としての戦略眼は評価されていいと、私は考えます。

 石原は日中戦争が長期化することを確信していた。
 彼の著書(講演収録)『最終戦争論』の冒頭からも有史以来の戦争を
 「決戦戦争」と「持久戦争」に分けて考察していますが、
 この日中戦争が泥沼化して「持久戦争」となり、
 日本の命取りとなると石原は喝破します。

 そして、石原の予言通りに歴史は刻まれていきます。

 広大な国土と人口。
 連戦連勝を謳う日本軍は奥へ奥へと中国の懐深く進攻し、
 抜き差しならない状態に陥ります。

 これも日米開戦のひとつの要因になる。

 無論、陸軍の拡大路線に危惧を抱いたのは石原だけではありません。
 そういう良識派の声も、結果としては押しつぶされた。勢いというのは恐い。

 古代文明の発祥の地である中国の黄河流域。

 中国の歴史はこの大河の氾濫の歴史といっても過言ではない。

 河じゃない。もう海みたいな大きさ。人間の力ではどうにもならない。
 そこから、中国人は「無理」しないという戦術を身につけます。
 攻めないのです。
 そして相手の攻撃を交わしながら次第に相手の力が弱まる待って、反撃に転ずる。
 「三国志」の諸葛亮孔明(蜀)と司馬懿仲達(魏)の戦いもこれであり、
 これで孔明は破れた。

 蒋介石重慶まで下がって手招きした。いらっしゃい、いらっしゃい。と

 それぞれの民族や国家には風土環境特性があるものです。
 漢民族はそういう特性がある。

 対する日本は海に囲まれた島国ですね。
 国防という点と戦略については、そのへんのところを考えないいけませんね。