あかんたれブルース

継続はチカラかな

成績じゃわからない、決まらない。

戦争と平和(6)『銀河英雄伝説』から人材について



秋山好古 大将(卒業席次はビリから2番目)
井口省吾 大将
石橋健蔵 中将
仙波太郎 中将、優等
東條英教 中将、優等(東條英機の父。)
長岡外史 中将(卒業席次は最下位)
藤井茂太 中将
山口圭蔵 少将、優等
榊原宰之助 歩兵少佐
山田一男 歩兵少佐


 これは明治16年(1883年)に開校された陸軍大学の第一期生を
 アイウエオ順に並べたものです。優秀とあるのは主席卒業生ですかね。
 名前の後ろにあるのは最終階級です。全部で10名。

 御存知、『坂の上の雲』の主人公の一人、秋山(兄)はアイウエオ順では筆頭ですが、
 好古は成績順ではブービーだった(汗)。

 だけど、優秀な軍人、指揮官だったんですよ。日露戦争屈指の三大旅団長。

 この一期生には他にも日露戦争の大スターが顔を揃えています。
 
 【井口省吾】は総司令部の参謀(後方)課長で児玉源太郎文殊菩薩と謂われてた。

 【藤井茂太】は児玉がもっとも優秀な参謀と認め、黒木第一軍の参謀長に任命。

 【東條英教】は東条英機の父で、海軍の佐藤鉄太郎の双璧をなすインテリ。

 【長岡外史】は、、、。大きなヒゲが世界二位。そのヒゲを秋刀魚と陰口された。
 彼も児玉に見込まれて留守番役の参謀次長となり山県有朋のお守りをします。
 暇だったので、ロシア軍の伝書鳩を駆逐する鷹を養成したりしましたが、
 その前に戦争が終わった。とてもユニークな人物です。
 成績はビリ!


 創業時の明治政府の頃は海のものとも山のものとも分からない軍隊でしたが、
 最初は官費で学べることを理由に人材が集まっていきます。

 ところが、日本という国の骨組みがみえてくると、
 軍人になることが栄達の道と考えられていきます。

 陸軍大学の3期に松川敏胤という人物が登場します。問題のある人物。
 井口同様、児玉の左右にあった文殊菩薩。参謀部作戦課長で階級は大佐でした。
 どうもこの辺りからエリート意識がニョキニョキ。

 松川曰く「あの人たちとはココが違う」
 と、オツムを指さした。とさ。(失礼な嫌な奴!)
 まっ、この性格の悪さが禍するんですけどね。因果応報だ。

 それにしても、1期と3期の間の格差は大きいです。
 因みに2期に落合豊三郎という気骨の第二軍の参謀長がいましたから
 2期と3期の間がポイントでしょうか。

 後は坂道を転げ落ちる雲(涙)。

 そういう個人的パーソナリティーで判断するのは問題ありとは重々承知。
 例えばのモノの話ですよ。世代ギャップ。戊辰戦争西南戦争も影響しています。

 つまりは、戦争を知らない子供たちさ。


 「作戦課」というのが曲者ですね。太平洋戦争の参謀本部第一部も作戦部だった。

 作戦でなんとか出来る。という過信が生まれてようだ。

 そのため、広い視野の「戦略」というものがない。
 「情報」は握り潰して、御都合主義に奔る。例の精神論でなんとかしようとする。
 
 早い話が、試験では優秀な人材は選別できない!

 知能テストが採用されたのは米国の軍隊からで
 第一世界大戦の頃だったそうです。

 現在、東大で優秀な学生のほとんどは官僚になるのだとか。
 公務員改革は早くやらないとダメですね。