あかんたれブルース

継続はチカラかな

男の嫉妬って厄介




以前、妃嬢にたずねたものです。
「やっぱり、女性からの嫉妬ってきつい?」

答えは意外にも「いんや、男からの嫉妬のほうが酷いね」

これは、職場での話。女性の社会進出が浸透した結果、環境も大きく変わりました。
私は個人的に、女性たちの女性への嫉妬をたくさん観察してきました。

しかし、それ以上に男性から女性への嫉妬がそれを凌駕するのは、
女性がお茶汲みや部下とかサポーター的存在から
同僚・ライバル、そして上司として存在しまって、男の沽券やプライドなどを刺激するからでしょうか。

恋愛色恋の嫉妬は別にして、男の嫉妬っていうのは厄介なものです。

戦国大名黒田長政は同家を出奔した後藤又兵衛に嫉妬して
彼の就職活動をことごとく妨害します。

それほどに又兵衛の武将としての能力は高く、
それは父・黒田恕水の又兵衛に対する評価と、長政に対するそれとが
火に油を注いでメラメラさんだったから。

それと、若い頃の又兵衛も自信家でしたからね。
京の河原でホームレスとなった又兵衛は大阪城に入城。
大阪夏の陣で討ち死にして果てます。

この大阪方に入城した浪人武将で二大スターをあげれば、
この後藤又兵衛真田幸村。まさに軍師二人。
両雄相立たず。ってことはなかったのでしょうかね。

又兵衛は死に場所を求めている心境。そして幸村を立てていました。
幸村も又兵衛を信頼して頼りにしていた。
土壇場の共同体では、それを認知できる者達は、嫉妬などしない。なのかな・・・

ということは、嫉妬は嫉妬する余裕のある「場」に生まれる。

高杉良の企業小説にも男の嫉妬が繰り広げられます。
また、山崎豊子の『沈まぬ太陽』も男の嫉妬が発端のドラマです。
まさに、「愛、友情、裏切り」です。当時の日航には余裕があったわけだ。

坂の上の雲』の二大ヒーロ。陸軍の児玉源太郎と海軍の山本権兵衛
読者の熱狂はこの二人のどちらかに二分されるといっても過言ではありません。
秋山好古とか若干あるとしても)

あの作品には描かれていませんが、権兵衛は児玉に嫉妬しています。
海軍を背負っているという立場もありますが、男として嫉妬している。
二人が同じ軍隊(陸軍か海軍)だったら、どうだったでしょうかね?

一対一の嫉妬とは別に、一人の男性をめぐっての嫉妬もある。

山本五十六をめぐっての参謀たちの嫉妬がそれです。
誰が長官のハートを射止めるか。射止めているか。
それほどに、山本五十六の存在は絶大なものがあったわけですね。
これも男冥利ってことでしょうか。

さて、時代を現代に戻せば
男の嫉妬は拡大されて、女性陣にも向けられている。

それを後藤又兵衛が知ったらどんな感想を漏らすでしょう。
「いやあ、大阪城の女性陣が強かったですからね(汗)
 その気持ち痛いほどわかります。」(後藤又兵衛 談)

               大阪夏の陣初日 現地リポーター・馬太郎特班員




「嫉妬考」第二回(男の嫉妬)