『坂の上の雲』スパイ大作戦（1）
人類の職業で一番古いのは売春だといわれてますよね。
では、二番目に古い職業は？
実は、スパイなんだそうです。
これはモーゼが約束の地カナンに導く12部族から一名ずつ選抜して
スパイを放ったことから。
結果として、内10名がモーゼの望む情報でなかったことから
その怒りをかい追放され、失われた十部族となるとか・・・
また、アダムとイブに禁断の木の実を食べさせる蛇の
サタンのスパイだったとか。
なかなか古いわけです。
今回はスパイの話でが、
発端は、『あやつられた龍馬』の「龍馬はスパイだった」の煽りに、
なんとなく変な心持ちになったのが始まりでした。
この本はフリーメイソンをテーマにした陰謀説本ですが、
グラバーがフリーメイソンだったとしても20代前半の若造ですし、
商人が商人の仕事を忠実に行った。と、そこに若い情熱もあったとは
思うのです。
フリーメイソン、フリーメイソンといったって
ウォルト・ディズニーもそうだったというし、
マーク・トウェインもそうだったといわれる。
だからといって、東京ディズニーにトム・ソーヤ島があるのを
陰謀だあ！ とするか？
シンデレラ城の秘密の部屋で今宵も催される
影の権力者の陰謀会議・・・？
なんにせよ、加治将一氏のフリーメイソン陰謀説は
龍馬暗殺を中岡慎太郎とする新事実で破綻するのですが、
龍馬をスパイとするのはさほど暴論ともいえない。
というか、わたしたちのスパイいうイメージが
CIAとか007とか東西冷戦時代のスパイのイメージなんだな。
だから違和感があるのだ。
そんなことをいえば、西郷隆盛だって立派なスパイですからね。
新聞やテレビやインターネットのない時代です。
情報というものが非常に重要だった。
江戸に行くこと自体が、大阪京を通って東海道を往く
立派な情報収集活動であり、大江戸大走査線だったわけだ。
『龍馬伝』でも岩崎弥太郎が蒼井優演じる長崎芸者お元が
完全にスパイを演じていますよね。
龍馬がスパイだった！
というセコイいセンセーショナルな煽りを粉砕しようと、
いや、明治の日本人はみんなスパイだった。
という暴論で粉砕してやろうと考えたのです。
ところが、これ、そうそう暴論でもない。
坂の上の雲の登場人物たちも例外ではない。
秋山好古だって、スパイの頭目。
児玉源太郎はスパイの親玉。
こんな感じです。
