あかんたれブルース

継続はチカラかな

大阪の主婦の疑問

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おバカ列伝(6)よし姉さん
この記事をめぐって、遂に主婦デカよし姉さんは上京した。
馬太郎とJJ.の親子関係を立証するためだ。

不敵にも東京八重洲口に被疑者二人が出迎える。

「よし姉さん、はじめまして」
「ぱぴぺーぱん、ぱぴぺぱぴぺ」
「馬ちゃん(汗)、J・・・(涙)」


十年ぶりの東京

彼女が「銀座一食いっぷりのいい女」としてブイブイいわせていた頃
東京は終戦のドサクサから前秩序が崩壊し
新しい秩序が力で支配していた。
新旧の愚連隊のたまり場でもあった
銀座のダンスホールやビアホール。
安藤昇、加納貢、益戸克己、町井久之、そして桂馬太郎
馬太郎は銀座界隈の磯辺焼き露天を牛耳る餅の帝王と呼ばれていた。
JJ.は習字教室に通い八級で破門。

それぞれの歳月が色あせて混じり合い真っ黒焦げのタイムスリップ。
私達は迷うことなく、クルマで銀座ライオンに向かった。

「懐かしいね、ここだけは昔と変わらない」
「そう思ってここにしたのさ」
「ぱぴ?」
「昔ここでプレゼントされたばかりのフェンディーの傘
 忘れていったんよね」
「後でウエイターに聞いてみようか。
 取り置きしてくれているかもしれない」
「ぱぴ?」
「よし姉さんの青春をそのまま・・・」
「ぺー! ぱぴぺーぱんぽぱぱぱぱ!」
「JJ.おちつけ、大人の小洒落たトークだよ」
「ぽーぷ?」
「ポーク・スモークの盛り合わせでございますね」

ウエイターがソツなく注文をとっていった。

さて、本題の取調べが開始された。

「馬ちゃんとJはホンマに親子なの?」

「その件に関して、わたしの口からはこれ以上何も言えない」

「ウチには合点がいかへん。おかしいやん!
 Jにはお母さんいてるんやろ」

「JJ. の今のお母さんはわたしをアル中とか
 イカレタオヤジといって息子に近づけないようにしている。
 『また馬太郎か』といってね。
 先日は夜中に『馬鹿!』って怒鳴られたよ(苦笑)」

「どうも腑に落ちない。第一顔似てへん」

「母親似なんだろう」

「母親って・・・?」

「ぱぴ?ままぴ?」

馬太郎は遠い目をして何かを口ずさんだ。
ビアホールの喧噪でよし姉さんデカはそれを聞き取れない。
馬太郎はそっと右のポケットから一枚の写真を取りだして
テーブルに置く。
そこには一人の女性の姿があた。

この女性の正体は?
これは告白なのか?オヤジギャグなのか?
運命のチャイルドシートでエコノミー症候群のJJ.
その出生の秘密の真相はいかに?
はたして、よし姉さんデカは納得して大阪に帰れるのか?

つづく



尚、取調の模様は
http://blogs.yahoo.co.jp/basicincome01/11087470.html