あかんたれブルース

継続はチカラかな

浅倉南のバッタモノ

おバカ列伝(7)赤い褌(2)


そう、彼女が34年前に
わたしが神戸港で手を握っただけで想像妊娠して
JJ. を生んだ女だ。

けれども、まさかそんなことになっているなんて
普通は想像もつかないよね(汗)。
実際にそのこと知ったのはそれから7年後のことだった。

1985年の四月の始め
その日、わたしは出張校正で神保町の小学館に行くと
同じフロアーで東宝の『タッチ 背番号のないエース』の
ヒロインオーディションをやっていた。
なんの気なしにのぞいてみると貧乏臭い浅倉南がそこにいた。

「君、どこから来たの?」

わたしがそう問うと、はにかみながら神戸からという。

神戸・・・

その地名にわたしは反応した。
そう、上京するときに間違って長崎にいってそこから船で神戸に行った
あの青春の苦い想い出が蘇った。

あのカモメに騙されたお人好しの港のオンナ・・・
そういえばどことなく彼女の面影が・・・

試みに合い言葉を投げかけてみました。

馬「サンダー杉山

女「豊登

馬「キム・イル」

女「大木金太郎

馬「ユセフ」

女「トルコ」

馬「ボボ」

女「いや〜ん」

完璧だ。この女いったい何者?

「もしかして、君は
 7年前に神戸港マドロス姿の三橋美智也に逢わなかったかえ?」

「ええ、あれは空いた高速道路でネズミ捕りに遭ったようなものでござんした」

ここでグッとこらえて

「お嬢さん、隣の救世軍で鍋で突つこうじゃないか」

そして、彼女の身の上話を肴に飲んだ酒が三升五合。
わたしは急性アルコール中毒で都立駒込病院に緊急搬送されたのさ。



つづく


『手と声の輪』第4回3部〜テーマ「ゆとり)」
この記事は、『手と声の輪』
http://blogs.yahoo.co.jp/haru_zion_haha春紫苑『Hand In Hand』参照)
とはまったく関係ありまっしぇん(汗)!
春紫苑さんごめんなさい(涙)。