あかんたれブルース

継続はチカラかな

文太をトラック野郎で語るな

山守さん弾はありゃせんがの(4)


たしかに、菅原文太の代表作に
『トラック野郎』シリーズ(全10本)を
もってくることに異義はないけれど
なんかなあ・・・と寂しい。

菅原文太のシリーズ作品
「現代やくざ」シリーズ 5本
「関東テキヤ一家」シリーズ 5本
「まむしの兄弟」シリーズ 8本
仁義なき戦い」シリーズ 8本

たしかにシリーズ作品では最多数だかんねえ

第一作公開当時のショックは大きかったよ。
だってそれまで実録路線でコワモテだった文太が
一転して一番星桃次郎として登場し
ハチャメチャナンセンスギャグ連発ですから(汗)
でもなあ・・・脚本とか作りが荒いので
松竹の寅さんには比べたら、落ちるよね。

75年から79年の5年間で10本量産されたけど
後半はほとんで観ていません。
高校卒業して上京したこともあった。
観るべき作品は他にたくさんあったしね。

菅原文太の追悼番組として公開する
作品が、ない。と危惧されるなかで
「せいぜいトラック野郎ぐらいか」との
声もありますが、どうだろう?

桃次郎は寅さん同様に毎回マドンナに
恋してフラレル。それすべてプラトニックですが
その鬱憤を劇中でソープ嬢に爆発させる。
それが赤フンでケツ丸だしでクイックイッと
ピストン運動させるのだ。
あれはオンエアーできないよなあ(汗)
それをカットしてまで
トラック野郎を追悼作品としてやる価値があるのか?
トラック野郎を観てトラック野郎になった
という方々や信奉者には大変心苦しいのですが
この状況で、文太ファンとしては
それはないよなあと思います。

トラック野郎で文太を語ってほしくないのだ。

仁義なき戦い』シリーズ以外で
菅原文太の最高傑作といわれたら
『実録飛車角 狼どもの仁義』(74年)を挙げる。
ツタヤにはあると思いますので
見かけたら是非ご鑑賞ください。

この作品には男女の愛について
深く考えさせるものがあります。
端的にいえば、処女性というか裏切りについて
こだわりについてなんでしょうかねえ。
とても哀しい作品でした。
それは健さんの『居酒屋兆冶』なんかとは
比較にならないんだな。
文太はそういう男の不器用を演じられる
俳優でした。一途なんだ。
それは健さんのそれとは異質なんだよねえ。

これほどの名優を偲んで
その作品を紹介できないなんて
公共放送ってなんなんだろう?

坂の上の雲』を「美化」してるとして
クレームつけるバカがいますが
仁義なき戦い』は暴力団を「美化」してる
となるのかな?
それとも「残酷」が理由なのか?

こういうときに有識者の代表みたなやつが
よく「いかがなものか」なって言葉で片付ける。
この「いかがなものか」ほど
無責任このうえない言葉はないと思う。
絶対に責任はとらない
この根性は山守そのもじゃないか。

こんな言葉に怯んじゃいけないのだ。

2014年11月
日本映画は二人の巨星を失った。
高倉健菅原文太
この二人は「静」と「動」
「義理」と「人情」
そして「光」と「影」を対比させ
ひとつの時代を演じた。
それぞれに重いものを背負っていたはずなのに
高倉健にはそれを偲ぶ作品が紹介されて
なぜ菅原文太は隠されてしまうのか!

仁義なき戦い』やれよ!
県警対組織暴力』『実録飛車角 狼どもの仁義』
じゃないと文太の魅力はわかりません。
『人斬り観音唄』とか
『バカ政ホラ政トッパ政』もいいです(汗)