ローマのカフェテリアで七生嬢と向かいあっている俺。
ウエイターが運んできた彼女のカシスオレンジ。
そして、俺はドライマティーニ。もちろんベルモットなしでオリーブは2個ね。
昨夜一晩考えた決め台詞を言っちゃおうよ~ん。
「七生、今度、いや最後に生まれ変わったときは僕を選んでくれないか」
そこで、トドメに左目ウインク!ちーん。決まった。
昼下がりの太陽が眩しいぜ、嗚呼、太陽がいっぱいだ。
七生は小首を傾げるようしにして微笑むと
「お生憎様、先客があってよ」
お、おおおおおっっっ! また、フラれちゃった。
ということで七生は男の好みが超うるさくて、しかも贅沢です。
彼女の最愛の男性はカエサル。あのシーザーだ。
映画だとリチャード・バートンが演じた腑抜けオヤジですが
彼女の筆をかかると最高のイタリアおやじ。嫉妬
そして、マキアヴェッリと続く。
以前目にした彼女の男性列伝で日本人はたしか西郷隆盛でしたから
七回生まれ変わっても彼女に選ばれるのは至難の業ですね。
なんでい、単なる婆じゃないか、へっ!
というわけで塩野七生の「ローマ人の物語」大推薦です。
いやあ、本人は専門家じゃない。私は素人よ!
と啖呵を切りますが、最初から壮大な叙事詩というかおとぎ話を聞かされる
イタリアの少年のような錯覚に陥ります。あっ、親父が自転車泥棒で捕まった!
中盤のルビコン川を渡るカエサル。確かに格好いい。
50年前の七生に選ばれてみたい。