あかんたれブルース

継続はチカラかな

マカロニウエスタンの虚構のお楽しみ

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 マカロニウエスタンというものが小学生の時に流行りました。
 1964年の『荒野の用心棒』の大ヒットがそのブームの火付け役で、
 翌年の65年に大ブレーク。66年には絶頂から急落をむかえます。

 監督がセルジオ・レオーネ。音楽はエンニオ・モリコーネです。
 ふたりはまだ無名でこんな作品に参加するのが恥ずかしく偽名を使ったとか。
 ところがこれが大ヒット!世の中分かりません。
 エンニオ・モリコーネはその後、数々の映画音楽を手がけて世界的な映画音楽家となる。
 NHK大河ドラマ「武蔵」の音楽担当に彼の名前があったのには驚愕しましたね。

 主演はクリント・イーストウッド
 こちらも今では大スターというかグレートというか別格の大御所ですが、
 ハリウッドで売れずにドサ回りでイタリアくんだりまで流れてきた食い詰め者でした。

 そう、マカロニウエスタンとはイタリアン西部劇。虚構の世界です。
 当初はスパゲッティウエスタンとかマカロニウエスタンとか言っていたそですが、
 いつしか後者が一般的になったとか。対してアメリカの本場西部劇は、、、。
 ビフテキエスタンと言いました。これ、本当の話ですよ。

 当時はイタリアだけでなくヨーロッパ西部劇はフランス、
 西ドイツ(統合前)などでも制作されていたそうです。騎兵隊モノとかちょっと有名。
 低予算で(旧)ユーゴスラビアなどでロケが行われたとか。
 まあ。軽い娯楽映画として西部劇がシチュエーションとして活用されたのですね。

 『荒野の用心棒』は「用心棒」と言う具合ですから黒沢明の『用心棒』の焼き直し。
 しかも無断借用の大盗作、知的所有権の侵害以外の何物でもありません。
 「なんたるこっちゃ!」と抗議したところ
 「ゴメンナサーイ」と素直に謝られたとか。
 作り手側もこんなにヒットするとは思わなかったわけですね。

 マカロニウエスタンは虚構であり、日本の時代劇に多分に影響されているわけですね。
 その結果、「残酷」が売り物でした。血、血ですよ。パスタのケチャップのような血。
 そして、ニヒリズム。これは禅問答のようなもので、無駄な会話を許しません。

 それまでアメリカの西部劇とくにB級という量産されたものはぬるいぬるい。
 ランドルフ・スコットなどの作品などは殴り合いはスローモーションですし、
 早撃ちったってモタモタしてて遅い遅い。(でも結構リアリティーあるかも)
 因みA級では『平原児』のゲーリー・クーパーが早撃ち一位で0.6か0.8秒(忘れた)
 『シェーン』のアラン・ラッドが二位で0.8か1.0秒(正確の秒数が曖昧あとはあってます)
 銃撃戦も一回かよくて二回、使用銃弾も合わせて合計8発ぐらいです。
 『シェーン』だって2回でしょ。使用弾も10発前後
 オーディー・マーフィーの『赤い連発銃』がインディアン相手だったので派手でしたが
 例外中の例外ですかね。

 マカロニなんて虚構ですから撃つは撃つは弾を入れ替えなくても何発では撃てる。
 だいたいコルトは6発とか5発の蓮根式なんですが、そんなことには頓着しない。
 で、悪いメキシコ人が持ってるピストルは粗悪品の旧式ですから一発ごとに左腕で
 廻さないと次の弾を撃てない(涙)というハンデがある。

 まあ、楽しい作品たちでした。
 マカロニをネタにしばらくお気楽モードでやります。