三本目の紹介となる『続・夕陽のガンマン』
で、マカロニウエスタンの傑作三部作(若しくはイーストウッドのポンチョ三部作)
『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』とコレが「あんこ」とか芯の部分です。
だいたい、「続」とか「新」とかつくと第一作を超えることはありませんが
そのジンクスを破ったのがこの『続・夕陽のガンマン』でして大傑作でした!
もともとタイトルは配給会社の関係ですから
『荒野の用心棒』に対して『続・荒野の用心棒』も
『荒野の1ドル銀貨』と『続・荒野の1ドル銀貨』関係はありません。
この作品の原題は「いい人、悪い人、ずるい人」
いい人=イーストウッド 悪い人=リー・バン・クリークリーフ
ずるい人=イーライ・ワォラック(イーラムとかの表記や発音もあった?)
↑この人最高!
黒沢『用心棒』の盗作から出発したマカロニですが、
この作品では見事な「ピカレスクロマン」に仕上がっています。
出演者の三人の絶妙なキャラクターでしょうかね。コンセプトもいい。
マカロニウエスタンは日本の時代劇から出発している関係で
非常にストイックというかニヒリズムというか武士道・禅問答的です。
マカロニの三大スター(イーストウッド ジュリアーノ・ジェンマ フランコ・ネロ)
ではジェンマだけが快活ですが後は木枯らし紋次郎か三船か仲代達也か館ひろしですね。
(これはジェンマが出っ歯だったからと私は分析します)
(イーストウッドのポンチョ姿は股旅の合羽ですね)
で、ニヒルな禅問答にハードボイルドが加味されていく。
脚本家もそのラインでキャラクターを作っていきますから
無駄なおしゃべりなんてありません。
口に出すのは「金言格言」で相場師向きです。
(口にチャックをするための道具に葉巻を利用しています)
(かりんとうを食べると必ず葉巻のようにくわえてイーストウッドになります)
以前、東三河通信さんのブログで『NANA』の映画・漫画の台詞がネタとなり
「若いガキどもが斜に構えた分かったような台詞をはきやがって」との意見に
これはマカロニウエスタンだ。とツッコミを入れたのはこの観点からでした。
が、ハードボイルドとしたほうがよかったかもしれませんね。
これを書き込んでいて急にそう思えてきた。この場で訂正します。
マカロニのネタはこの件と映画音楽について語りたかったのですが
三本の前説で『NANA』のマカロニウエスタン説が85%崩れてしまいました。
世の中なにが起こるか分かりません。
マカロニウエスタンと映画音楽。サウンドトラックについては気合いをいれます。