あかんたれブルース

継続はチカラかな

離島は怪談話のテンコ盛り。

 御盆も近いので恐い話そします。

 高校時代の野球部の先生が話してくれた「恐い話」は凄かったです。
 鹿児島県で学校の先生になるには地元の国立大学で教職の資格を取った後、
 若いうちは離島でドサ廻りをしなければなりません。
 鹿児島には沢山の島があるわけですね。
 この先生は古典の担当でしたが、なかには教書と同じ言葉を使う島もあって往生したそうです。

 それより、なにより閉口したのは離島という所は怪奇現象も本土とは
 比較にならないほど超強烈なのだそうです。
 火の霊なんてホタルと一緒だと言っていました。
 まるで、あの世とこの世の狭間にあるような所だったと仰っていました。

 教職員には宿直という業務があります。
 現在では事務員とかガードマンを雇っていますが、昭和40年代の話です。
 しかも地方のそのまた地方の果てです。

 先生の赴任された学校も裏手にお墓のあるお決まりのパターンだったそうですが
 宿直で様々な異常現象が起こり、その被害にあった教職員は数多く、と語るのです。
 実際に先生もその不思議な体験の洗礼を宿直で遭遇されたそうです。

 その晩、なかなか寝つかれず、本など読んでいましたが、
 ウトウトとして、はて?寝てしまったかと窓を見れば何やら薄明るい。
 いつの間にか夜が明けたかと思ったそうです。
 すると、外からカサコソと物音が聞こえる。気になって宿直室を出たそうです。
 先生が外に出ると何かの気配が学校の裏手に走り去ったような、、、。
 まさか泥棒がと気になってその後を追った。のですが、しばらくして、
 なんか見たこともない場所に足を踏み入れてしまったのだそうです。一瞬に。

 明け方近いかと思ったのは勘違いで真夜中のど真ん中。星が燦々と輝いていたそうです。
 あれと?思い直して道を引っ返すのですが出発地点だった宿直室になぜか帰れない。
 学校の建物すら分からない。人家もない。ここは何処?
 歩けど歩けど鬱蒼とした茅とゴツゴツした岩の荒れ地を彷徨ったそうです。

 気が遠くなって、疲れたのでしょうね。地べたにへたり込んでしまったと。
 そこでいつしか寝てしまったようです。

 翌日、先生は学校の裏にある墓地で発見されたました。
 服は泥んこ状態で真っ黒、ある墓石を抱くように眠っているところを
 墓参りにきた島民の方に揺り起こされたのだそうです。
 (このお墓との因果関係はなかったようです)
 
 別に危害を加えられた訳ではなかっとのですが、とにかく疲れて、
 その日は授業にはならなかったという話でした。
 問題はこんな体験をしたのが先生だけではなく他にも大勢いることです。

 また、職員の寄り合いの帰りの晩に、
 光輝く銀の馬車が前方から通り過ぎていく経験もされたとか。
 御者のほかには誰も乗っていなかったそうです。
 当然、当時馬車なんて存在しません。明治とか大正仕様だったとか。

 この先生は日教組でしたが大変な堅物で普段冗談などいうタイプではないものですから
 私たち部員は固唾を呑んでその話に聞き入りました。
 その後の肝試しの恐いこと恐いこと。

 幽霊とかお化けとかは地方とか昔とか
 結構出るんですねぇ。いや、都会でも現在でもありましたかね。