御盆も近いので恐い話そします。(2)
次は私の母親の話から。私の母は昭和3年生まれですが、
その当時は恐いとか不思議な体験談は身近にあったようで、幼い頃から沢山聞かされました。
彼女が尋常小学2~3年生の時に頃、
祖母に買い物を託されて「丁子座」という萬屋に行く途中の話です。
(商店じゃなく「座」というのが時代がかってますよね)
家から200メートほど行く途中に死にかかっている婆様の家がありました。
田舎ということと昭和10年頃の話ですから地域の共同体というか繋がりもあったのですね。
その前を通り過ぎようとした、とその途端に。
後ろで遊んでいた子供達がなにやら騒ぎ出した。で、振り返って見ると、
子供達は空を指さしている。母がその指さす方に視線を移すと。
その死にかかった婆様の家の瓦屋根の上の方に
ソフトボールよりも大きい、ハンドボールぐらいですかね。
白っぽい、いや七色の中心からグラデーションになった感じの不思議な玉が
スーッと天に昇るように浮いていくのだそうです。
その玉にには細くて白い糸のようなものが垂れ下がっていて、
その糸には同じような七色の玉が、こちら軟式野球ボールぐらいの大きさだったそうですが
それが引っ張られるようにふんわりと後に続くように昇っていく。
母や周囲にいた子供達は20分ほどでしょうか
そのふたつの玉が天に消えていくまでポカーンとして眺めていたそです。
そこの婆様はやっぱりというか当然というかその日に死んでいました。
これに似た話を聞くたびに母の体験談を思い出し、ああ、やぱり事実だったのかと。
火の玉というのが霊の代名詞になっていますが
本当の魂の形とはそんな野球ボールぐらいの七色のグラデーションで彩られたものなのかと。
けれども目撃されたのが夕方で、まだ陽があったことから
これが夜になると火の玉になるのかと。
でも火の玉だと繋がった糸が燃えてしまうのではないか?
想像はつきません。
しかし、その引っ張っていたハンドボールぐらいの大きな玉ってなんなんでしょうね。