御盆も近いので恐い話そします。(3)
母の話は、霊とかお化けとかとは少し違うステージのものが多かったようです。
地方の方々なら経験はあるかと思いますが、狐に化かされた話とか。
また、アワビの貝殻の裏。あの虹色をしたテカテカした部分に
観音様の姿が刻まれていた話とか(天然もの)。
これを実名と実際の地名で話すものですから超リアリティーがありました。
戦前か戦中の話です。
母の友達三人が権現山に登って、、、なにが目的で言ったのか忘れましたが、
まあ、登ったわけです。ここの中腹には祠があって牛の神様を祀っているそうです。
私も小学校の頃何度も登っているので知っています。(小さい山ですが急勾配)
この牛の神様は女性をあまり好ましく思わない神様なのだそうです。
とくに、この山に近づく女性は前の晩にお風呂で体を清めて髪を洗わなければいけないとか。
そんな迷信と昔の人でも思ったのでしょう。
三人の中の一人が髪を洗っていなかったそうなのです。
そして、三人が中腹の祠あたりに着た途端、どこからともなくサイレンのような、
牛の雄叫びが彼女たちを襲う。(危害を加えられたわけではないのですが)
三人は吃驚して取るモノも取らず(何か取りに来たんでしょうね。シバとか薪とか)、
慌てて下山したとか。その牛の雄叫びは彼女たちが下山するまで続いたそうです。
その夜、何かの寄り合いで遅く帰宅した祖父が自分の家の前に
大きな白い牛が座り込んでいるのに仰天したそうです。
祖父はどうにもこうにも家に入れないし、何卒と手を合わせて拝んだそうです。
その牛は、ゆっくり立ち上がると東の方に立ち去って行ったとか。
しかし、山に登った三人は母ではなく母の姉妹でもなかったのに、なぜ?母の家の前に?
まあ、地方というのは大体が血縁で構成されていますから何かの因果だったのでしょう。
(ホントかしらん?)いや、聞いた話は本当です。
でも、一番恐かったのは戦争の話。
特に空襲の話は恐かったです。