あかんたれブルース

継続はチカラかな

「ユタと不思議な仲間たち」の座敷わらしとの再会

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 高校1年のNHKの正月番組だったと記憶します。が、さだかではありません。
 三浦哲郎原作の「ユタと不思議な仲間たち」を観ました。
 都会からやって来た少年と座敷わらしたちとの不思議な交流。泣けた。
 座敷わらしは佐藤蛾次郎とかが好演して印象に残ったテレビドラマでした。

 それから10年ほど経って、
 東松原の羽根木通りに馴染みの寿司屋がありました。
 店の名は「小かん」
 ここの御主人は元噺家さんのようで、「小かん」は「桂小かん」から。
 最初は御主人の人柄に惹かれたのが切っ掛けだったと思います。
 小綺麗で安くて美味しくて、良い店でした。
 近くに住んでいる北杜夫だったかな(?)も常連だったようです。(一度だけ目撃)
 当時は修行中の息子さんに一生懸命職人の技を教えている最中でした。

 店には現役時代の写真が一点だけひっそりと飾られています。
 日活でしょうね。小林旭と女優(多分こっちが主役で女渡世人もの。名前が出てこない)
 の間に挟まれて商人風の出で立ちの小かんの親爺さん。

 私はこの店に通いだしたもうひとつの理由に
 小かんの親爺さんにどうしても聞きたいことがあったのです。
 それは10年前のあのNHKの正月番組「ユタと不思議な仲間たち」。
 あの座敷わらしの一人を演じたのが
 「親爺さん。あなたでしょう?」

 それが言えない。

 元々が噺家さんだったわけで、それが寿司屋となっている。
 月に一度定例会風に噺家を呼んでいたりするので、まったく噺家の世界と無縁ではない。
 でも、なんか聞きづらい訳です(さほど気にすることでもないのでしょうが)。
 時折、世間話もしますが、親爺さんの方からその話題が出るまで待つこと5年。
 そんな場面がようやくありました。(当時はネット検索なんてないし)
 ドキドキしました。そして、そういえば、と、とぼけた口調で聞くと。

 「ああ、そんなのもやりましたかね」

 さりげなく、そっけなく。
 嗚呼、やっぱり。あのときの座敷わらしの一人は親爺さん!あなただったのね。
 (この感動は私だけでもので表に現すことはできません)

 「あ、玉子、つまみで」

 劇団四季などでも公演したようです。(いまネットで調べたところ)
 その後、NHKライブラリー(?)のビデオで
 一度だけ見直したことがありますが、今、あるかどうか?
 原作本は図書館とかにありますかね。

 引っ越してから12、3年ほど経ってまして、その後、一回だけ行ってるとしても
 10年は行ってない。
 (妻と引っ越しの御挨拶をしたときチョコレートを渡しのは照れくさかった。)
 糖尿病を患っていたのですが親爺さん元気でやっているでしょうか。
 それとも息子さんに継がせて悠々自適のご隠居さんだったらいいですね。