あかんたれブルース

継続はチカラかな

ビリちゃんを経験した者への天からの福音

 「ボクは駆けっこ、速くないんだよね」
 Kちゃんがポツリとこう漏らしたのは先週の始めでした。
 それを耳にして、私も妻も少し、悲しい。運動会の季節が近づくと期待と現実の確認作業ですね。
 誰でも一番ってことはあり得ません。
 かといって、順位をつけずに全員で手を繋いでゴールする教育指導というものには
 ゆとり教育だの個性尊重以上に異議を唱える姿勢でおります。
 そんな平等なんて嘘っぱちじゃねえか。

 私は高校の時の中間テストでクラスでビリになったことがあります。ホント
 そのとき、予感はあったのですが、遂に堕ちるところまで堕ちたかと順位表を凝視しました。
 だいたい勉強してないんだもの。
 で、次の瞬間。待てよ。今回俺がビリだったけれど、それ以前は誰かがビリだったんだよなあ。

 そっと、なにげなく、教室を見渡しますれば、みな澄まし顔。また凹む

 主席がいれば、最下位もいるのは当然です。
 日露戦争の登場人物で陸軍大学二期の主席は井口省吾。ビリは長岡外史、ブービー秋山好古
 頭と尻尾に価値がある。違うか?

 全国にどれぐらいの学校があるのか知りませんが、その教室の数とテストの回数だけ
 ビリちゃんも生産されている。当たり前ですが実際に体験しないと分からない。
 普通は考えないんです。もう他人事。当たり前のことだけど関係ない。
 日比谷高校でもラサールでも、ヤンキー暴力教室にもトップとビリが存在する。

 私の友人に慶応高校のビリちゃんがいました。
 類は友を呼び彼はビリちゃん仲間3人でスキーに行きます。(勉強しろよ)
 行きのバスで不二家ルックチョコなんてぇのをを食べよう。わーい。(無邪気だね)
 どう分けよう。そうだ前回の物理のテストの点数で分けよう。(どこからその発想が出た?)
 3人で分けて余ったそうですよ。12個しか入ってないのに。1人は食べられなかったそうです。
 それから3人は無言になったとか。ここにも青春の蹉跌あり。
 負けるなビリちゃん! 貴重な体験だ。

 もし、そこがどん底なら幸い。もう堕ちることはない。上がるだけ。(曰く馬太郎)

 さて、駆けっこに苦手意識があったKちゃんが、なぜか運動会の練習で一番だったという
 怪情報が流れたのは先週水曜日のことでした(運動会まであと4日)。
 なぜ?
 こうなると手の平を返したように俄然、やる気満々の馬鹿な親。(別に何もできませんが)
 だってね、幼稚園の年少さんからこれまで苦節5回。そんな予感はなかったんです。
 で、結果は見事一着でした。なぜ?

 どうも先週18日に決行した親子剣道秘密特訓の成果が意外なところで出たようです。
 「踏み込みを前に前に半歩前に、飛び込む様に」これがKちゃんの走法を変えた。
 肝心の土曜日の試合では結果に結びつきませんでしたが、少なからず効果はあったようです。
 勝つとか結果以上に私は嬉しかったです。
 勝ち癖もあれば負け癖もあります。驕りもあれば苦手意識もある。

 結果以上に大切なこと。(その結果とは最終的なものか否か。どの結果か考えてみよう)

 それを決して綺麗事と言って片付けられないことを私は確信するでしょう。
 だって、私もビリちゃんだったんだもん。