踊る理事会(1)
原則論といえば、
私のマンションの最上階にはヤメ検弁護士の老人がいます。
数年前、私がその理事会で副理事長をやったときの前期の理事長でした。
当時、うちのマンションは地下ピットに水が貯まるという湧水問題を抱えていました。
それが発覚して半年後かに理事会のメンバーが替わり、
私たち新メンバーでその問題を解決させるというお鉢が廻ってきたのです。
気の弱いがために理事長を引き受けさせれた理事長と一緒に、
それまでの経緯もわからいので、引継もあり、元理事長が弁護士ならば、
全面的に協力してもらおうと最上階を訪ねました。
けんもほろほ。その対応に私たちは冷や水を浴びせられる思い。
それでも苦労人の馬太郎はなんとか次回の理事会にアドバイザーとしても出席をお願いします。
が、確約はもらえず、考えておくと。保留ですかね。
でも、なんかおかしい?
すると理事長から噂として、この人物と不動産会社の黒い噂を聞きます。噂ね。
因みに、うちのマンションは不動産会社と管理会社が同じ系列です。
私は知人の弁護士にそのことを相談してみました。すると、
彼は、その老人は不動産会社と繋がっていると確信をもって主張するのです。
そして、絶対に今期の理事会に彼を介入させてはいけないと。
理事会の日に、あれほど渋っていた老人が分厚い資料を持ってやって来ました。
理事長を見つけると開口一番、「私はどうすればいいのですか」と激怒。
(出てくださいともう一押しして欲しかったのですね。しかし、出てくるとは、、、。)
困惑する理事長と老人の間に私が入って、
「結構です」(老人は拳を振り上げましたよ。ドラマのようでした。)
これで、彼と理事会の2年戦争の始まり。(俺完全にマークされちゃったもんね)
一ヶ月後の総会の日。
弁護士バッチを胸に(彼は通常の理事会でもこれを付けているんです)
老人は独演会でした。
やりましたね。クレーム詰問の嵐。恥ずかしながら予想外想定外の展開。
理事会のメンバーすべてが壇上でつるし上げです。そして、不信任決議さえ持ち出される。
これで理事長はその後、寝込んで会社休んだというのですから尋常ではありません。
彼は何かあると質問と称して理事会に現れます。
とにかく、うんざりする原理原則、指摘してくる問題がとにかく小さい。暇なのか?
ある時、私は彼のクレームに対して
「しかし、そんなことをやれば後々収拾がつかなくなりますよ」と反駁します。
「そんなこと知りませんよ!」
だってさ。(呆れました。法律とか持ち出すのでもっとまともな奴かと思ってたのに)
ははは、この老人にとって問題の解決には興味がなくて、指摘が重要なようです。
管理規約を聖書のように掲げる聖職者か。
元検事にとって、私たちは無知な犯罪者のようでした。
私たちは外には不動産会社、内にはこの老人という敵と戦います。とほほ
大丈夫。最後は勝ちましたから。