あかんたれブルース

継続はチカラかな

チャリティーから刺青の考察へ

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 チャリティーの白い二の腕には男の名前が彫られていました。
 「馬太郎命」とかですかね。

 ここ最近、若者の間でタトゥーが流行しています。
 ファンション感覚としての所謂「洋彫り」ってやつですね。
 夏の海や大型プールでよく見かけます。サブカルチャー雑誌のメインアイテムでしょうか。
 私はあんまり好きじゃない。というかあんまり綺麗には見えません。南方の土人みたい。

 といいながら、上の画像は『三代目彫よし・水滸列伝図譜』から九紋竜史進
 186頁からの抜粋です。この画集1万8000円もしたんですよ(涙)。
 (あんまり大きくてうちのスキャナーに入りきれません。一人2頁で全216頁も豪華本)
 例の引っ込みがつかなくて(音夢さんの旦那さん参照)で、購入してしまいました。
 武田さんの会社の秘書チャコちゃんと飲んでるときに「入れ墨談義」に花が咲いた結果です。
 彼女は西南戦争で散った桐野利明(人斬り半次郎)の後裔でロシア人とのクォーターとか。
 なかなかの美人でしたがそれが禍してストーカーに拉致され裁判訴訟。大変だったそうです。
 美しいのも厄介です。あっ、そこのあなたは安心しなさい。

 『水滸伝』って知ってますよね。
 「三国志」と同様に日本人に広く親しまれた中国古典の講談本です。
 アウトローモノのルーツですから内容はちょっと咀嚼に脂汗をかくかもしれません。
 この九紋竜史進は108人の英雄好漢の中でも主要人物のひとり。
 元々は華州華陰県の富豪の息子で、全身に彫った九匹の竜の入れ墨がトレードマークです。
 北方謙三が近年小説化してます。
 「三国志」と同様なスタンスでは戸惑うかもしれません。

 現在、東京や大阪などには多くの和彫りの職人さんがいらっしゃいますが、
 そのなかで、彫よしは知名度ナンバーワン。ただ。個性的というか作風に癖があります。

 さて、親からもらった大切な体に傷をつけて、己の心意気をアピールする入れ墨。
 その賛否は分かれるところでしょうね。
 レーザー治療でそれを無理矢理消したボクサーもいましたね。あれは痛々しかった。
 もともと入れ墨は中国は越(中原よりだいぶ南)のほうの風習だったようです。
 日本に入ってきたのはいつ頃からなのでしょうか。これも文化といえば文化です。
 ついこの間までは場所によりますが古典文化展覧会だった銭湯も多かったとか。
 任侠関連だけでなく、多くの職人の方々も入れていたようですね。
 小泉元首相のお祖父様も全身にほどこしていたという話は有名です。

 発展途上の未開地の風習と位置付けるか?
 それなら下唇に穴をあけてでっかい木枠をはめていくものとピアスの違いをどう考えるか。
 お化粧を塗す行為と樹木を使った染料を塗ったくる行為の違いをどこにおくか。
 ドイツのマイセンに四季の花々を彫り込む上流階級の風習伝統があったらどうなんでしょ?
 十字軍遠征時から騎士階級に浸透していったとかなんとか。なんでも書けるな。はは

 文化。伝統。常識と非常識。そして、流行。
 考えれば考えるほど奥深いものですね。