あかんたれブルース

継続はチカラかな

FTMより、人参畑のばあさんが作ったカレーにしてね

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明治イイ女列伝(番外)高場乱



 彼女も開祖といえば開祖かもしれません。
 そうすると、作ったものは「玄洋社」ということになるんでしょうね。
 高場乱。おさむと読みます。
 彼女はFTM性同一性障害)とされていますが、はたしてどうでしょう。
 確かに、泣く子も宰相も震えた「玄洋社」の生みの親ならば、
 男装の麗人ではなく、男装の女傑であり、FTMって図式になるんでしょうね。
 玄洋社っていうのは頭山満や平岡浩太郎、進藤喜平太などの福岡藩士が作った
 所謂、政治結社みたいなものです。
 現在では国粋主義とか右翼の老舗みたいな扱いをされています。(乱暴すぎるぞ)
 実際にはアジア主義の土台にすえて、植民地支配のアジア各国の独立運動家を支援しました。
 ついでに、杉山茂丸玄洋社社員とするのは大間違いです。

 高場乱は目医者です。
 父から男として育てられました。髷を結い帯刀していたそうです。
 なんか「リボンの騎士」のサファイア王子みたいですが王子ではなく既に婆様でした。
 現在の博多駅近くに「興志塾」という私塾で儒学を教えていました。
 そこが朝鮮人参の栽培地だったことから「人参畑のおばあさん」と呼ばれたそうです。
 頭山は目の治療にいったときに、この塾の柔道の練習をのぞき見て萌えてしまったとか。

 この興志塾から武部小四郎と越智彦四郎という二人の逸材を輩出しますが、
 共に西南戦争に呼応する福岡の変に失敗、斬首されてしまいます。
 後輩の頭山たちが「玄洋社」を設立するのはその後の話ですね。

 私の記憶では乱は一度結婚しているはずなのですが、バックアップの資料が見あたりません。
 それもあるし、彼女をFTMって決めつけるはどうでしょうかねぇ。
 まあ血気盛んな女性だったことは確かですが。
 当時の黒田藩の青少年は半端ではありません。
 それを束ねて薫陶を施すには生半可の事では成らない。まさに、女傑哉。

 頭山満が後年高場乱と再会する件が『巨人頭山満』にありました。
 ちっちゃな乱が頭山に飛びついて抱き合うシーン。
 「まだ生きておったかあ!」とニコニコの頭山。
 200円あげたとか書いてましたね。

 新宿の中村屋のカレーは第一次世界大戦の頃、
 頭山満が助けたインドの独立運動家ボーズによってもたされたものです。
 人参畑のばあさんが生んだカレーとも言えなくはないでしょ。
 FTMよりずっと楽しい話です。


新宿中村屋のカレーです。写真はここ↓から借りました。カレーの記事あります。
http://plaza.rakuten.co.jp/UltraATA66/diary/200610290002/