一昨日は結婚記念日だったので、慣れない買い物などして帰宅。
ワインと寒かったので鍋の食材を買って帰ったところ、怒られました。
白菜は明日が特売日だったのに!との事。私は家では無能です(涙)。
昔はあんなに愛し合っていたはずなのに、、、。だったっけ?
夫婦もね、22年もやってると色々ですよ。で、妻との赤裸々な馴れ初めでもいくか。
師走のこんな頃の、業界がまだ構造不況に陥る前の話。
各社が派手やかにパーティーに興じていたものです。
京王プラザとか高輪プリンスとか帝国ホテルとか一流ホテルばっかり。
ちょっと趣向を凝らして東京タワーの展望台を貸し切ってのパーティーがありました。
で、彼女を誘ったですよ。
喜びましてね。舞い上がっちゃってる。側にいて恥ずかしいくらい(汗)。
宴たけなわ司会者が「さあ、みなさん!これよりビンゴ大会を始めます」ときた。
すると彼女、嫌だ嫌だと悶絶してる。少し酔ってるのかしらん?
そんなに嫌がらなくても、と問えば。「そんなの踊りたくない」と。
「そりゃ!ビンボーダンスだろうがががが!」
側にいた同僚たちがスーッと引いていったよね。
私もスーッと引きたかったけれど、腕を捕まれて逃げられない。
「お願い笑わないで」(そりゃ無理だよ)
そして、ゲームは続く。リーチの方はいませんか?と司会者。
「あっ、ワタシ、リーチよ」(おうおうようやく飲み込めてきたな)
そして、「21番」という数字が読み上げられた、そのトタン!
「ビビンバー!」
やったね。
側にいた同僚たちがスーッと引いていったよね。
私もスーッと引きたかったけれど、腕を捕まれて逃げられない。
「お願い笑わないで」(そりゃ無理だよ)
こりゃ放っておけない。ということで結婚を「意識」しました。
しかし、一生の問題なので意識はプレッシャーとも訳せますし、
お笑いコンビを結成するのではないし、私だって考えますよ。バカじゃないんだから。
それに、すっごく我が儘な人なんです。どうも初めて人間に生まれてきたみたいです。
やれるかな、、、。これで、、、。
で、当時私は日本映画それも東映実録路線にハマってまして、その普及に努めますが、
誰も理解してくれない。みんなフェリーニやビスコンティに気が入ってるわけです。芸術に。
で、彼女も賢くなろうと八重洲のスター座でヌーベルバーグ特集を観にいった。
案の定、意味不明と大憤慨。(俺に当たるなよ。だからとめたじゃないか)
そんだっら『仁義なき戦い』全作5本オールナイトでどうだ。場所は吉祥寺。
断るかなと思ったら「行くと」いいます。
でも危険がいっぱい。彼女は実家が埼玉の蒲生という所。吉祥寺とはだいぶ離れている。
あの我が儘が出て、途中で帰る。と言われた日にはどうしましょ。
オールナイトは夜の9時からですから、一作目の途中じゃないと電車では帰れない。
タクシーなんて、いったい幾らかかるやら。無謀な賭けでした。ハラハラ
で、観たね。最後まで。「面白かった」って言ってくれた。
朝もやの井の頭線、始発を待つホームに立つ彼女の後ろ姿をぼんやりと眺めて、
私は結婚を「決意」したのでした。