東京は12月になって雨の日が多いです。
うちはコタツはないのですが、こんな週末はコタツでダラダラしていたい。
その足下に猫なんていたら和みますねえ。
昔、妻と明大前で飲んでの帰り道。夜中の2時頃でしょうか。
車の下にいる猫発見。
飼い猫のようで慣れてます。酔っぱらっていたので引きずって連れて帰って来ちゃった。(こら
酔ってるのは私たち。引きずられたのは猫。ですよ。
トラで2歳ぐらいですかね。以前飼っていた猫に似てる。
綺麗な猫です。
翌日、目が覚めると猫はまだ寝てる。まるで自分の家みたいにリラックスしてます。
私はその日は勤めに出かけましたが、猫は昼過ぎに帰っていったそうです。
帰宅後、その話を聞いて、少し残念な感じがしました。
次の日は休みでした。お昼前の11時過ぎでしたかね。
私たちのアパートは一階なのですが、そこの北側の出窓の屋根にドスンとなにか音がします。
あれ? と思って外に出てみると昨日の猫がドアの前にいる。
そう、この猫が合図をしたのです。
それから彼女は頻繁に遊びに来るようになりました。必ず出窓の屋根にドスンと合図をして。
メス猫でしたが前に飼っていた猫に似ていたので「クリ2世」と名付けます。
その時は、クリ(雄)とモモ(雌)の二匹を同時に飼ってたのですが、
大家さんに怒られて実家に預けてしまったのです。アパートで動物は飼えない。
妻は自宅で独りイラストの仕事をしてたので、気まぐれな「クリ2世」の訪問を喜びました。
「今日も、来たんだよ」
そう聞くと、なんで俺が帰るまで引き留めてくれないんだよ。と不満な私。
「クリ2世」は育ちのよい猫で、うちに来ても食事はしないそうです。
ミルクを少し飲むぐらい。
あとは妻の側で昼寝するか、時々じゃれて遊ぶか、ひざの上でまた寝るか。
そして、しばらくすると玄関の前に行って出してくれと「ニャー」と鳴く。
私も何度か目撃しましたが、賢い猫でした。
彼女がそうやって頻繁に気まぐれに訪れるようになると、当然大屋さんも気が付きます。
「また、猫飼っているんですか」
私たちには前科がありますからね。でも猫なんて飼っていませんよ。
そう言っても疑いの眼差しは消えない。前科者ですから世間の風は冷たいのです。
しばらくして、引っ越しすることになりました。
引っ越しの当日、業者が荷物を運び出す慌ただしいときです。
私が部屋のすみで大屋さんと契約書の確認をしていたところに「クリ2世」がやって来ました。
いつもと様子が違うのでびっくりしたのでしょうか。
引っ越し屋さんと私と大家さんの足下を走り回っている。
大家さん「ほら、やっぱり猫飼ってるじゃないですか」
私「いや、違います。これは、遊びに来ているだけなんです」
引っ越し先はそこから200メートルほど先の駅前のマンション。
でももう彼女は現れない。
時々、一駅先の明大前からわざと降りて、その帰り道に彼女を捜してはみるのですが、
なぜかあの日以来、彼女の姿はプッツリ消えてしまいました。
4年ほどして、また私たちは引っ越しました。もっと遠くへ