あかんたれブルース

継続はチカラかな

世界で最も弱い軍団

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 暮れになると救世軍の「社会鍋」を思い出します。
 今年はあまり出歩いていないので出会ってはいませんが。

 救世軍の本営(本部)は神田神保町集英社の隣にありますね。

 明治の日露戦争の頃、世界最強のロシア陸軍を破った黒木第一軍を世界最強軍団とするならば、
 世界最弱の軍団は英国人ブース将軍の救世軍に他ならない。

 ブースは明治二十八年には腹心ライト大佐を日本に派遣すると現地で義勇兵を、いや常備兵を調達。
 その第一志願兵が山室軍平でした。

     【ウイリアム・ブース】一八七五~一九七一
       英国のメソジスト派の牧師。救世軍は一八六五年に窟設立され、東ロンドンの貧民から
       進軍していった。三十年後ににようやく日本上陸。

     【山室軍平】一八七二~一九四〇
       岡山出身。苦学して印刷工から同志社に学ぶ。日本救世軍の創設者で中将まで昇進。
       妻・機恵子と共に廃娼運動、貧民救済、児童保護にその生涯を捧げた。



 さて、日本の救世軍
 新橋の橋詰に第一軍営を設置すると、
 明治三〇年の九月二十二日には我が国に対して宣戦布告したのです。

 場所は神田美土町の青年会館。
 そして、彼らの敵は日本の「大酒飲み、乱暴者、道楽者、大罪人」です。(気をつけろ!)

 その武器は音曲鳴り物と「ハレルヤ」という呪文だけ、
 その軍紀は「暴力厳禁」だったので弱いといったらこの上なく弱い軍団でした。

 彼ら極東攻撃軍の戦略目標は遊郭へと方向を定めて、娼妓救済を使命としました。
 敵(娼家の雇ったやくざ)の抵抗、反撃は熾烈を極め、
 もとより喧嘩は御法度のこの軍団は一方的に駆逐され続けるのだなのですが、
 武力攻撃に対して無抵抗戦術はその強かな意志によって戦略を遂行させるに至り、
 その戦果なんと「五万二千」あまりの娼妓解放を遂げるのでした。
 明治三十二年の記録がありますから実に二年死闘ですね。

 偉いものです。

 これなら私も入隊してみたい。ハレルヤ



写真はブース将軍と山室軍平(本から)と神保町の救世軍