あかんたれブルース

継続はチカラかな

美味しいという味覚の幸せ。その味は?

 今年一番の笑顔は~??
 音夢嬢の本日の記事を拝見して絞りだすこと6時間48分。考えてみて。

 で、ひと月ほど前に日テレの夕方のニュース番組で2夜連続で放映された13歳の少年の話。

 その少年は生まれてからモノを食べたことがありません。
 重度の肝機能障害のために栄養分はすべて点滴に頼っている。

 13歳の中学生。
 その日も給食の時間になると一人教室をあとにして自宅で点滴。
 無理に食べ物を口にすると嘔吐してしまう。体が拒絶するのです。臭いも厳禁だそうです。

 彼は、生まれてから「甘い」「酸っぱい」「しょっぱい」「苦い」「辛い」
 という味覚を一切経験したことがありません。

 過酷な試練を背負った少年。
 それでも笑顔を絶やさない彼の健気と明るさに、涙がとまらかくて、困った。

 そして、この秋、父親の肝臓の一部を切除しての肝臓移植手術に挑む。
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 手術して最初に食べてみたいものはなに?

 リポーターの問いかけに、少年はテレながら

 葡萄。 と答えます。

 どんな味だと思うの?
 甘いとかすっぱいとかかなあ。と少年は笑います。
 甘いって想像できるの?

 うんん、なんとなく想像かなあ。。。少年ははにかんで、また笑顔にもどりました。
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 手術の当日、普段は明るく陽気な少年が一転苛つきを隠せないでいる。
 当惑する母親。
 いつも両親や周囲に対して気遣っている彼がプレッシャーで小さな心は悲鳴をあげている。
 その不安が13歳の少年を押しつぶそうとしている。頑張って!

 手術は無事成功。

 どうにか拒絶反応もないようです。順調な回復。
 それとは別に、父親の方がつらそうです。親子ともども命がけです。

 父親もようやく回復してきた頃、少年は初めて「おかゆ」をくちにします。

 まだ、なにも味付けされていない薄い重湯から。それでも口から食物を取れる。
 もう嘔吐しない。少年の笑顔が眩しい。

 そして、数日後。
 少年は生まれて初めて味付けされた食事をしました。
 少し、ほんの少し、塩味のほどこされた「おかゆ」です。

 おいしい。という少年の笑顔。

 彼がこの世で初めて味わった「美味しい幸せ」は
 しょっぱい塩の味でした。