あかんたれブルース

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こんな日本人がいたんです。

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児玉源太郎の本質(1)

 ちょっと、いや、まったく話は変わります。
 正月休みにつらつらと古川薫の『天辺の椅子』を読んでいました。
 これは児玉源太郎の関連書籍としては評価の高い小説です。
 が、喉元に骨が刺さったような読後感があります。

 まず、タイトルの「天辺の椅子」とは宰相というか頂点を意図させています。
 したがって、児玉源太郎が立身の頂点を目指していたような記述のニュアンスがある。
 そこから桂太郎をライバル視する表現や山県有朋との確執を考察しています。

 そして、盟友の後藤新平が児玉暗殺に関わったような含みがある。

 昨年の今頃に出版された杉山本ではその黒幕を杉山茂丸とする物もありました。

 違うんだよねえ。

 児玉源太郎のことは当ブログで何度も紹介しましたので、ここでは触れません。
 彼が日露戦争を牽引した人物であることは確かです。
 けれども当初、対ロシア戦争に反対だったんです。
 それを回避するために杉山の南進政策から廈門事件を起こしますが、
 海軍の山本権兵衛のために失敗します。明治三十三年のことです。
 これで、どうしてもロシアと戦うことになる。のですが、、、。

 これより以前の明治三十一年、児玉は杉山茂丸と二人だけの秘密結社を作っていました。

 さて、明治三十四年五月に伊藤内閣が倒れます。けれどその後を継ぐ者がいない。
 日本の政治は混沌としての崖っぷち状態で誰もババを引こうとしません。
 ここで、児玉は杉山と画策して、桂太郎を秘密結社に入れて彼を総理大臣に仕立てます。

 その、申し出を桂は拒絶する。
 あまりにも元老の介入が厄介であり、とても運営していく自信がないという理由からでした。

 さて、ここで、児玉源太郎一世一代の大熱弁が桂太郎に宰相を決意させる。
 杉山茂丸『俗戦国策』からの引用で一部省略所々現代風にアレンジしましたが、
 なるだけ児玉の生の言葉として紹介させてください。
 この箇所は何度読んでも涙が出ます。右翼左翼国粋主義とかの問題じゃない。

 バカでしょ。これを頭にパンツ被って(?)写したり打ち込んだりしているんですよ。
 児玉の魅力を知ってもらえれば幸いなのですが、(ちょっとコアかな)
 かなり、長いのでこの記事の後に続けてアップします。

 この言葉から、児玉が何を考えて、何をしようとしたかが分かると思います。