志村けんの演じる人気キャラクターに「バカ殿」があります。
ドリフ解散後から演じている「変なオジサン」同様に可笑しい。
最近は少し低調低俗になって私的には~あ、不満ですが、(昔からそうかな?)
うちのKちゃんも大好き。子供にはこの手のコント受けますね(笑)
白塗りのバカ殿。権威があるのにバカ。フレンドリーで親近感があるから?
日本の時代劇でいうと「水戸黄門」「暴れん坊将軍」
少し位は下がりますが「当山の金さん」(警察署長)のコンセプトなのかしら。
で、昨年暮れに私がドライアイになったとき、荒行治療で泣ける映画4本をレンタル。
そのうちの一本に新藤兼人の『どぶ』というのが含まれていました。
1954年の作品だから昭和29年かな?
舞台は戦後間もない横浜の鶴見川近辺。どぶとは鶴見川のことでしょうか?当時からどぶ川?
いや、川っていうよりも、そこに棲む人間たちのことなのかなあ。
とにかく、貧しい。
ピンちゃん(宇野重吉)、徳さん(殿山泰司)のもとにツルちゃん(乙羽信子)という
イカレタ女が舞い降ります。
「掃き溜めに鶴」というのは最後に分かる。ツルちゃんは天使なんだな。
でもストーリーはイカレタ女で進行していきます。
彼女は紡績工場で働いていました。地方の多分この間「世界遺産」に認定されたところかな?
ストライキがありましてね。彼女は追い出されてしまった。
そこから歩いて親戚がいる千葉まで、テクテク。。。
途中不良に金を奪われ、農家の親爺にオモチャにされたり騙されて売られたり。
どうしようもない女なんです。(運命がね)
このツルちゃんこそ、志村けんの「バカ殿」の原型のモデルなんだな。
私は確信しましたよ。
百聞は一見に如かず。レンタルDVDありますから観てください。
ツルちゃんは梅毒にやられてた。もう脳にきちゃっている。
ツルちゃんはピンちゃんのことが好き。
でも、自分の病気のことを知っている。
ピンちゃんたちはそんなツルちゃんを利用して駅前で売春させて働かせる。
それでもツルちゃんはみんなに必要とされて、幸せ。
貧困だけを理由にできない人間の身勝手。
途方もないラスト。
ツルちゃんは天使でした。
今さら悔い改めても遅いんだよ。そして、ツルちゃんはバカ殿で復活しました。
乙羽信子怪演!(新藤の妻。大映の看板女優だったのに)
志村けんと優香のからみのコント観てると目眩がしますよ。