明治イイ女列伝(3)お倉-1
明治の黒幕赤組横綱(1)
明治時代のフォクサーとして、杉山茂丸を白組の横綱とするならば、
赤組の大横綱はなんといっても横浜「富貴楼」のお倉でしょうかね。
しかも、美人です。スラーッとしてて身長は160センチ。当時としては大きい。
遠目から見ても目立ったそうですよ。残念ながら写真がない。
もともとは浅草の水茶屋「ほしの」の娘です。
15歳から店を手伝った看板娘。彼女の美貌は相当な評判で店は繁盛したそうです。
ただ、綺麗なだけのお人形さんじゃあない。
機知に富んだ彼女の囁きに男どもはもうメロメロ。賢い女性だったんですね。
賢い美人。天は二物を与えてもうまくいかないのが世の常です。
この手のタイプによくあるように、どうしようもない男に惚れてしまうクセがある。
お倉は鉄砲鍛冶の松屋鉄五郎と恋に堕ちます。
あんな男やめておけよ。
周囲は反対したとか。いまでいえば銀座の売れっ子ナンバーワンと
しがないオペレーターみたいなものです。釣り合いがとれないと。
それでも、お倉は周囲の反対を押し切って結婚します。18歳の時。
好きで一緒になった若い二人。ところが、どうしたものでしょうかねぇ。
結婚してしばらくすると鉄五郎は帰って来なくなる。
女房の運気に押されてしまったのか? よくあることです。
借金もこさえたのですかね。
「ちょいと、風呂へ往って来るよ」
(現代訳にすればソープ(トルコ風呂)で働くよ。ですかね)
自ら内藤新宿の「豊倉屋」で働きます。遊女として。
「豊倉屋」は現在の新宿伊勢丹の辺りとか。
かといって、お倉を薄幸の女性と解釈しないでくださいね。
売られたんじゃあない。自分の意志で行ったんですよ。お倉はこの店でナンバーワンになる。
彼女は自由です。
そして、自由を有することのできる気質と能力が備わっていました。
自由、新しい恋、、、。
そんなお倉が亀太郎という男と運命的な出会いがありました。(鉄五郎は?)
ということで、不定期ですが、
明治最大のグッド・バッド・ガールそして指図する女
いや、政財界の黒幕赤組横綱「お倉の話」第一回でした。