明治イイ女列伝(3)お倉-2
明治の黒幕赤組横綱(2)
お倉のハートを射止めた亀次郎は超イケメンでした。
「江戸前の五分のスキ」もないというぐらいですから相当なものです。
正確には亀次郎のハートを「お倉」が射止めたというのが正しい。
お倉は山谷堀ナンバーワンの小万という芸者と争って亀次郎を得たのです。
選ばれたのはお倉の方だったんですね。
もの凄い色男だったんですね。
この亀さん、「江戸前の五分のスキもない」
その後に「遊び人風の好い男」と続くのがポイントかな。
「江戸前の五分のスキもない遊び人風の好い男」
中場利一の本に『一生遊んで暮らした』というのがありますが、
亀次郎はこのように往きました。
早い話が「ヒモ」です。
生涯仕事しなかったんですね。
超一流の「ヒモ」。粋人でね。お倉はメロメロだったようです。
半端な散財ではすまない粋な亀次郎を養うために、
品川に鞍替えしたり、町同心(与力)の妾になったり、逃げたり、の繰り返し。
女の武器をフルに使って亀さんを養いました。
もともと亀さんも生家は老舗の植木屋でした。
ある日、兄弟三人で物置に閉じこめられてしまいます。
引っ越しを前に父親が隠してあった瓶を運んでいる。
重そうな瓶には小判は入っていたのです。
兄弟はそれを見て、
「大きくなった、働いたりするのはやめて、あの小判を使って遊んで暮らそう」と誓った。
それを実行したのが次男の亀さんだったわけです。凄いね。
で、行き当たりばったりの二人は江戸を食い詰めて、大阪に流れます。
その大阪でもしくじって、不義理をして、
横浜に流れてきました。
年号は明治に変わっております。明治二年の秋だそうです。
当時の横浜は日本の玄関口ですから、そりゃあもう相当な賑わいでした。
日本の経済の中心地です。
ここで、お倉は芸者になって再出発します。
「高田家」という芸者置屋を始めて、二人に抱え芸者と三人で頑張ります。
亀さんは、遊んでいました。