あかんたれブルース

継続はチカラかな

お詫び

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美咲の呟き

 私は駅から近い「梟」という小料理屋に向かいました。

 日曜でしたが、この店はやっていた。

 店に入ると御主人の稲田さんが迎えてくれます。
 この店は彼の退職金で昨年開店させたものです。まだ、真新しい臭いがする。
 彼の息子さんが料理人で粋な江戸風の酒の肴が評判です。

 「あれ、日曜日なのに珍しい」

 「近くまで来たもので、少し寄り道させてください。日曜日もやってたんですね」

 「この辺りはオフィス街じゃありませんからね。休日でもぼちぼちお客さんいますよ」

 私と美咲は出口に近いカウンターに座りました。

 とは言っても客は私たちだけか? 奥の座敷に人の気配がするかな?

 「そちらは?」
 おしぼりを出した稲田さんが美咲のことを訪ねます。

 「娘です」

 「ええ?こんな大きな娘さんがいたの。初耳だな」

 「今晩は。はじめてまして、美咲といいます。」
 
 「そんなことより、何か作ってください。今日のお勧めは?」

 私は話を中断させるようにメニューを取り上げて日本酒の冷やを注文しました。

 「美咲は何を飲む?飲めるのか」

 「じゃあ、最初は、ビールを」

 「最初はビールか。そりゃいい。じゃあ私もそうしよう。稲田さん生ビールを2つ下さい」

 私は愉快に注文しました。

 そんな私の横で、美咲は神妙な面もちです。

 ふたりは少しぎこちなく、沈黙。私の左手と美咲の右手が微かに触れました。

 「おとうさん・・・」

 ぽつりと、美咲が呟きます。

 私は、その声が何処かとても遠くで聞こえているような錯覚に陥ります。
 
 記憶の中の何層にも重ねられた枯葉が静かに舞い上がるように感じました。


つづく

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★☆ここから下は前の記事「回復したら記事に差し替えます。」のお約束として★☆★☆★☆

すみません、
昨日のお昼頃から体調を崩してひっくり返っています。

風邪みたいです。

バカなので風邪は引かないのですが(3~4年ぶり)、
昨日、4ヶ月をかけた仕事が一段落してので
気がゆるんだようです。

コメント、ご質問に対して、しばし遅くなります。お許しを。

ここは、回復したらちゃんとした記事に差し替えます。

インフルエンザとか流行っているようです。

皆様もお気をつけください。

あなたの風邪はどこから?と問われれば

「節々から」

と答える今日は雨