司馬遼太郎の作品に『箱根の坂』というのがあります。
主人公は戦国「下克上」武将の代表・北条早雲。
彼は伊勢新九郎と申しまして、妹つ伝手を頼って伊勢から今川家の駿河を目指します。
目的は立身出世。
その彼と行動をする者が六人。
荒木兵庫頭 中山才四郎 多目権兵衛
荒木又次郎 大道寺太郎 在竹兵衛尉
彼らは今川家に就職活動に向かうのですが、その際に誓いをたてます。
仲良くする。協力する。裏切らない。
そして、このうち誰かが出世したらみんな家来になる。
逆に、出世したらみんなを面倒みる。ということですかね(笑)。
早雲とあわせて七人の侍だ。
この作品を読んだときにそう感じました。
黒澤明の『七人の侍』の原点はここにあります。
ただ、映画では栄光と名誉を求めません。
現実の歴史では一国一城の主となった早雲は関東の覇者となり、
北条家は早雲から数えて五代で滅亡しました。