さて、「七人の侍」でも、その志は様々ですね。
フィクションであれば映画の七人がヒューマンで崇高に感じてしまいます。
ただ、時代が違うんですよね。
新九郎(北条早雲)が東国を目指したのは戦国初期。信玄も信長も生まれていない。
かたや、十兵衛たちは「大阪夏の陣」の後です。
武士の就職大氷河期のはじまりです。
それに、早雲は歴史的には「えげつな」だの「奸雄」だ「梟雄」だ。
とされますが、領民には非常に評判がいいそうです。
少し尺度のステージは違いますが、
関ヶ原の石田三成や忠臣蔵の吉良上野介も領民には評判がよかった。
だから、いい人と。とはいわない。ですよ。
人物評価というのは見る角度で様々です。
明治ですこぶる評判の悪い人物に三島通庸という薩摩人がいます。
「鬼県令」として自由民権を弾圧した人物ですが、
それとは別に、那須野ヶ原の開拓を推進した人です。
西郷従道や大山巌、あの乃木希典なども入植しました。
ここで、農民たちに、評判がいいのです。あの三島通庸が!
良い人悪い人って何? 判断基準は何?
話はまた飛びます。
支持率低下に悩む安倍総理に「鈍感力」をアドバイスした小泉前首相。
これはいいなあ。と馬太郎は膝を打つ。
ところがネタもとは渡辺淳一だと聞いて、、、。萎んだ(笑)。
もともと世の中「運・鈍・根」と言ったのは古河市兵衛じゃなかったか?
この人は古河財閥の創業者。明治の人です。評判は、悪い。
日本初の公害問題訴訟「足尾銅山事件」の主役です。
かといって「鈍感力」のネタものが古川市兵衛だと、国民の反発を買ったかな?
なんにせよ、現代人は敏感です。
別に裏表のある人間を推奨するわけではありませんが、いい人を意識し過ぎ。
他人にも自分にも。
ストイックなくらい「自分」にそれを強要させているようです。
でも、そのいい人って、何?
やっぱり、他人の視線に敏感すぎるの?
それとも、マジナイか。