あかんたれブルース

継続はチカラかな

こういう仕事人間って?

ナキトの事情(番外茶飲み話-2)

 マー君の生涯を前期後期に分けて考察するとしましたが、
 その後期は那須野から旅順にむかう日露戦争勃発時に焦点をあわせます。
 それまでいくつかのエピソードがありますから
 それをネタに考察茶飲み話ですかね。

 通常、歴史・人物考察を現代の尺度にあわせての行為は間違いのもとなのですが、
 それが故の誤った結論は絶対出しませんから気を楽にくつろいでお付き合いください。

 マー君には二人の男の子が生まれました。(記録では三男と長女がいるぞ?)
 彼は当然のように彼らを軍人にします。それが国家への忠義という考えです。

 ところが長男の勝典君は軍人になりたくなかった。
 母方には芸術家を輩出したようですからむしろそっちの道に進みたい。
 マー君自身も文学的才能が特筆していましたから遺伝的なものでしょう。
 
 でもマー君は許さない。言語同断。(自分の青春の思いは忘れたか?

 そのくせ家庭の事、子供の事は妻まかせ。

 勝典君は士官学校に無理矢理進学させられなすが、向き不向きがあって成績も思わしくない。

 妻であり母である静子、心を痛めます。
 どの時代でもこれは同じなのです。

 マー君善通寺の師団長だったころ。
 年も押し迫った大晦日近くに、四国くんだりまで静子は夫マー君を訪ねます。
 よっぽどの事情だったのでしょう。凄い形相だたそうです。
 一説には息子の進学・教育問題についての相談。多分緊急を要する案件だったんでしょうねえ。

 でもマー君は会わない。言語同断。いま自分は任務の真っ最中。

 悄然となる静子の姿に、お寺の和尚さんが同情してマー君に説教しましたとさ。
 あなたそれは少し意固地じゃないか?なにか間違ってる。とかなんとか
 それで会ったよ。もちろんパジャマの軍服のままで。
 どういう会話が成立したのか、静子は翌日東京へ帰ります。

 このエピソードは美談として語り継がれていますが、はて?私にはピンとこない。

 私なら「ずいぶん仕事の出来ない奴だねえ」となります。

 仕事が出来る人間は平行していくつもの案件を同時進行させて料理します。
 家庭のことも。異性関係も。

 それとは別に、児玉は熊本城籠城の歳に危険だから妻を疎開させています。
 (これを卑怯だと考える人もいる。あまり頭の良くない人たちですが)
 山本権兵衛は決して女人を入れない軍艦に妻を乗せました。
 降りるときに彼女の雪駄を綺麗に揃えてあげたとか。優しい漢だ。
 ふたりとも無茶苦茶仕事できる軍人だぞ。

 なんなんだ!マー君。君のその態度は。
 何か願掛けでもしてるのか?
 そんな杓子定規な考え方をしてると、後で、こっぴどいしっぺ返しにあうぞ。

 マー君は不器用な男でした。