あかんたれブルース

継続はチカラかな

人はどこまで変われるか?

ナキトの事情(番外茶飲み話-1)

 さて、マー君の生い立ちからのエピソードを6回に渡って綴ってきました。
 ここまでを彼の生涯の前半とします。

 なんたって彼は変身したのですから。

 昨夜、かんちゃんがいいツッコミ・コメントを入れてくれました。
 「人はそんなに変われるものじゃないけど。。。」
 ナイス。かんちゃん。そうだよね。

 私は以前、『訓録・仁義なき戦い』の江田省一の項で
 その疑問を提示して、
 「人間が達観して変わるのは生死の境を彷徨ったか新興宗教に誑かされた」時。ぐらい。
 と、した。とはしたが、はたしてそうなのかしらん?
 自分でそう書いておいて、私の中でその疑問は大きくなていきます。

 その答えを導き出すために「やくざ」→「明治」に駒を進めます。
 笠原和夫が「仁義」→「二百三高地」にすすむ過程をなぞっただけ(爆)。

 人は変われるか?

 明治で日露戦争で乃木同様に神格化され神社に奉られている東郷平八郎という提督がいます。
 原宿の竹下通りの裏手にある神社ね。

 この人は寡黙な提督でしす。その胆力をギリギリのところで爆発させて
 日本海海戦の大勝利に導き、ロシア艦隊を殲滅した奇跡の軍神なんですね。

 でもね、最初に彼が日露戦争で海軍の連合艦隊総司令長官に任命されたときに、
 みな我が耳を疑った。

 ええ?あんな地味で冴えないリストラ寸前の窓際爺が、なんでえ?????

 そう、それまでの東郷は病欠も多く、国際法を厳守する堅物で冴えない存在だったのです。

 でもね。私がもっと吃驚するのは、東郷の二十歳戦後の変身です。

 10代の彼のニックネームは「ケスイボ」と多くの彼の伝記に記載させている。

 ケスイボ? なんじゃそれ? 
 その後には必ず、頭が良かったとか機転が利いたとか腕白だったとか続いてる。
 で、余計に分かり辛くしている。
 一因として、この作家たちが鹿児島弁を理解していなかったこと。
 もうひとつは東郷があまりにも偉大な功績を残したので、遠慮した?かな?

 「ケスイボ」。。。まるで私は「解体新書」を翻訳する杉田玄白のように、、、ケスイボ。。。

 あっ! (ここで電球マーク)

 [kesui-bo] →ケスイ・ボ→ケスイ(ッ)ボ(ッ) 註()内は発音しないくらい小さく区切る

 「ボ」とは「坊」なんだ。
 「仁義なき戦い」で大西政寛は「ワルガンボ」と謂われていましたっけ。
 手のつけられない「悪」い「坊」 舞台は広島だから
 山陽から下手したら関西までの西日本の方々には「坊」のニュアンスがわかるかなあ。

 では【ケスイ】って何か?

 ひょうきん。お笑い系。なんですね。そこからオッチョコチョイやお喋り。
 軽率軽薄にも発展していく。「東郷、お前は吉本興行にいけ」という感じです。

 「議を言うな」の薩摩隼人にとっては言語道断。と思うでしょ。
 ところが薩摩人って、とてつもなくギャグの好きな民族なのです。ホント

 が、それを許さなかったのが大久保利通だ。その逆鱗に触れて東郷は陸軍を追放されてしまう。
 しかたがないので海軍に行きました。

 この東郷が寡黙な海軍軍人に変身するのも留学が切っ掛けです。
 場所は英国。
 とても孤独で過酷な留学だたみたいです。
 変身というよりも変容といったほうがいいみたい。

 長くなったので今日はここまで。