あかんたれブルース

継続はチカラかな

都会に命を育んだ幸子の皮算用

 幸子は私の妹です。

 性格は異なりますが、私同様に破天荒な人生を歩んでいます。

 花を咲かせる人です。

 台所に放置しておいたダイコンから芽が出て育ち花が咲いたそうです。

 ダイコンの花

 昔、森繁とか竹脇無我の出演でそんなドラマがありました。

 花が咲いたダイコンはフニャフニャでスポンジのようだそうです。

 まるで理系の学者のようくちぶりで。

 スポンジといえば、

 以前、メロンを買って、ひとりで流しで食べたそうです。

 そのとき、メロンの種が流しのスポンジに落ちました。たくさん。どっかと。

 彼女は忙しいという言い訳で無頓着にしか生きていけないといいます。

 毎日、毎日、忙殺されて、ストレスで食べて日々を過ごしていました。

 単調な都会の生活。

 ある晩、残業からの遅い帰宅。

 ふと、台所の流しから青い芽がたくさん顔をのぞかせていたそうです。

 わたし、なんか野菜買ってたかしら?

 不思議に思って流しに近づくと、スポンジからアルファルファのようにメロンが芽をだしていた。

 とさ。

 洗われることのない茶碗や皿やコップのバベルの谷間から、新芽が伸びていました。

 廃墟の遺跡のオアシス。天空の城ラピュタのような感じですね。

 ノンちゃん曰く

 その芽からメロンはならない。

 昨日、それを電話で伝えたら、舌打ちをしました。

 幸子は私の妹です。