あかんたれブルース

継続はチカラかな

可愛いネコの訪問

 ま、そういうことで、会社から前借り、じゃなかった前川さんから借金して
 引っ越しました。丸の内線の方南町という所。

 ここはテレビドラマ『俺達の旅』のロケ地です。
 私はこのドラマに憧れて上京したようなもの。野望に向けてまた一歩ですね。

 築一年の白いコーポ。五畳しかありませんが中二階がロフトになっている。
 おしゃれ! それまでの持ち物を清算して、無理矢理詰め込みます。

 映画音楽のサントラ盤や新潮の100冊、元カノの手紙、
 小田急線下北沢の1番線2番線ホームのプレート、公衆電話の受話器5本、
 白いガーデンテーブル、居酒屋の電飾看板などなど

 それまで(遠かったので)会社に遠慮して終電がなくなった時点で泊まりが決定でした。

 ここならタクシーで帰っても大丈夫。お風呂も付いている。

    それでも忙しくて、毎晩深夜2時3時の帰宅です。

    ただもう寝に帰ってくるだけ。

    中二階のロフトも夏はすぐそこが屋根なので暑い暑い(苦)。地獄です。

    半年ぐらい経ちましたかね。

 帰って部屋に入ると猫がいる。

 私の顔をみると逃げていくのですが、一瞬、つぶらな瞳と血走った目が重なる。

 可愛い。

 私は窓開けっ放しですから来るモノは拒まずです。
 盗られるものなんてありません。
 都会の孤独な青年と野良猫の交流って感じですよ。ネコの名はナターシャなんちゃって(笑)。

 何回かその可愛い訪問者と遭遇したそんなある朝。

    私は、夢を見ていました。

    高校時代でしょうかね。机に向かって、テストかなんか、、、。

    あっ、消しゴムを落としちゃった。足下に、、、。

    私はなぜか上履きも靴下も履いてない。で、右足の指を手繰りよせるように、
    (サルみたいですね)
    器用に消しゴムを足の指同士で挟んで、膝を曲げて、あげて、はいどうぞ。

    で、右手でそれを持ち替えた。こころ辺りから夢と現実が交差して参ります。

    nnn? 何? 花林糖?

    なんか、そんな感触だった。ちょっと固いような。
    で、本能でしょうかね。分からない物は一応「嗅ぐ」という。鼻に近づけます。
    まだ、目は開いていません。嗅覚だけに頼ろうとしている。

    nnn? 何? ウ ウンコ? ウンコ。 

    ウンコ!

    目が醒めました。手に持ってるのは花林糖のような「うんこ」です。
    確かに。でも、なぜ?どこから? あ、ああ、足下の、、、布団の中?

    ガバッとね。布団をはがしたですよ。
    そしたら、奥の方の右側におしっこした後の丸いシミのその周りを
    日本庭園のように庭石ならぬウンコが、、、。無念

    流石にあの時は飛び上がりました。声出したもんね。

    犯人はあの猫です。

    しっか、現場の状況から一週間以上経ってる(ものもあれば三日ぐらい前のものも)

    それに気づかず、ウンコと添い寝してたわけですね。


    私は、私は、、、。