あかんたれブルース

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お嬢様列伝(1)松濤仮子様

 先週、相方からのメールに「娘に連載小説を強要されている」とありました。
 内容は「お嬢様ヒーロー」とのこと。
 思春期の娘さんが変容するための勇気のエキスにしたいようです。
 この人は文筆業じゃない。でも素敵な話だと思いませんか。
 こんな親、日本全国「金のわらじ」を履いても捜査本部は時効につき解散しました、です。

 お嬢様のイメージで悶絶しているようなので、ちょっと与力に候。

 昔、先輩に「お嬢様には気をつけろ」と言われましたっけ。
 なぜ?

     いくら尽くしてやっても幼い頃から尽くされ慣れているから当然としか受け取られず、
     尽くしがいが、ない。のだそうです。
     まだらっこしい言い回しになりましたね(汗)。

 とは云っても、当時の私のまわりはお嬢様だらけ。
 そのなかでも日経や電通なんて露骨です。
 でもね、そんな中途半端な地方の土建屋の娘や町工場の娘じゃない。
 ましてや「県庁の星」で織田クンをフル、「のだめ」で千秋にフラれる
 定番お嬢様じゃない。左の本格派。
 しかし、ドラマのお嬢様って、いつも自信に満ちて値踏みしてますよね。種の。
 あのへんがなんか変だけど、昔っからワンパターン。

 この間、「岡本かの子」をやりましたが、あの時、純粋培養って言葉を私使いました。
 別にタネ本にそう書いてあったんじゃないですよ。
 私にとってのお嬢様のキーワードはこの「純粋培養」です。
 どこか浮世離れして、何かに引火すると「爆発だあ!」みたいな。

 爆発はしませんが、昔よく使っていたイラストレーターがお嬢様でした。
 家は確か渋谷の松涛。ああ、この間「爆発」したな(汗)。
 当時、事務所が丸山町だったので印象に残ってます。近所ですね。って。
 こっちはホテル街ですけど(涙)。

 名前を仮に仮子としましょう。(いい加減!)
 仮子さんはセツというファッション画を専門とする学 校のご出身。
 ここからグラフィックのイラストレーターを目指す人結構いたものです。
 仮子さまも、「さま」になってる。そのおひとりで御座いました。大奥か。

 お嬢様だからといって美人とは限りません。
 仮子さまはとても不細工で御座いました。
 ダイエットの問題では御座いません。貧相でやせ細った不細工様で御座いました。
 多分、これまで私が接近遭遇したナンバーワン。 
 これに、比べたら歌手になった環なんて前頭17枚目ですことよ。おほほほ
 仮子さまは、東の大関
 横綱を取っとくところが私の年季を感じますね。

 しかし、ただの不細工様ではない。彼女はさえずるように話します。
 それはそれは淑やかに、上品に、自然に。

 「それでね、」と

 私にご自分の作品を説明するときに、ほんの少し興奮 されたのかしらん?
 それとも口癖なのかしらん? いまでも耳に残っています。

 それでね。。。 何だったっけ、ああ、仮子さま。絵が下手でさ(爆)。
 相当に凄く下手。下手ウマなんてものじゃない。素人以下。
 いまでこそ時間の経過があるから冷静にこうやって言い切れますが、
 そのとき、その当時は、言えなかった。
 仮子さん、もう少しタッチを強めにしたらどうですか ?
 「でもね、」
 上品にほんの少し拒絶なされる。不思議なものでそうなると、まあ、それでもいいか。
 なんて、思えてしまう。まあ、私がいい加減でいえばそれまでですが。
 私たちの仕事は別に人が死ぬわけじゃないですからね。

 それでね、当時のやってた学生向けの定期刊行物に使ってみました。
 案の定、編集長からクレーム。なんか往生しました。結局どうしたかな?
 それでね、仮子さまを何かの折に、その編集長と会ってもらったかな?
 そしたら、それ以降、クレームこなくなった。絵は相変わらずなのに。
 私がクレーム言いたくなるぐらい。「ええ?また使ったんですか」って。

 でもね、全然美人じゃないけど、彼女の前に出ると気恥ずかしくなるのよね。
 それでね、打ち合わせの時に目を瞑って仮子のさえずりを聴く。
 目を開けて、へったくそな絵。
 でもね、それでも、いいかなあ。って そのときは思えてしまうのね。

 お嬢様パワー、恐るべし。



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ビジュアルはひろさんの「健康日誌」より提供頂いてます。
http://blogs.yahoo.co.jp/bitter_sweets02