あかんたれブルース

継続はチカラかな

後藤又兵衛生の嫉妬とプライド

日本人の恥の文化について(6)


 日本人の恥の文化には、同時に嫉妬という要素が付随するようです。

 嫉妬は男と女の間なら恋の妙薬かもしれません。刃傷沙汰までいかなければ(汗)

 問題はそれ以外、恋愛を伴わない同性同士のものとか厄介ですね。

 例えば、職場のそれ。高杉良経済小説に出てくるライバル関係の行方とか。
 また、男女雇用機会均等法の女性の職場は阿鼻叫喚伏魔殿であります。
 なんか大奥の臭いがするする。
 こうなると異性同士でも嫉妬はあるんでしょうねえ(汗)。

 少し嫉妬について


 戦国与太話で細川忠興ガラシャのお話、以前与太りました。
 あれは夫婦間の抗争。
 妻がまったく夫に対して見向きもしなくなったケース。

 男の嫉妬でいうと
 黒田長政後藤又兵衛の場合でしょうか。

 長政は秀吉の軍師で策士・黒田官兵衛の息子です。
 長政自身はそれなりの能力を有しているのですが、親爺が親爺なので、
 なかなか認められない。

 親爺は小姓時代から仕えている後藤又兵衛の方を評価する。

 それを肌身で感じる二人。
 本来兄弟のように育ったのですが、とにかく折り合いが悪い。
 そして、又兵衛は一族郎党を引き連れて浪人してしまいます。
 戦国時代は実力社会ですから、転職は自由。
 又兵衛ほどの実力者ならば引き手あまた。だった、はず、なの、ですが、、、。

 それを片端から邪魔する黒田長政は嫉妬のメラメラさんですから、
 哀れ又兵衛は京の河原で乞食三昧。
 乞食のくせに高価な茶器でテータイムを決め込んでいた。その時に、

 大阪冬の陣。戦国時代最後のジハードです。

 そして、大阪城に入城。

 この大阪城ってところも嫉妬の伏魔殿。
 又兵衛のような傭兵的な中途採用者はなにかと居心地が悪い。
 そして、真田幸村の存在。
 しかし、又兵衛は幸村に対しては嫉妬心は見せなかったようです。本意は分からないけれど。
 その分、一歩引いてしまった感じ。

 両雄あい立たず。

 歴史のイフとして、もし、
 大阪城に幸村が存在しなかたら、確実に又兵衛が傭兵グループのリーダーだったと思います。
 結果も違ってたんじゃないかなあ。

 勝てたとは断言できませんが、
 少なくとも又兵衛はあんな死に方はしなかった。のは確実でしょうね。

 私は、又兵衛が幸村に対しての嫉妬心を感じることを
 彼のプライドが許せなかった。と想像してしまう。

 長政が又兵衛に嫉妬したのもプライド、
 又兵衛が幸村に対して嫉妬を抑えようとしたのもプライド。
 そこに後藤又兵衛の「恥」もあったと思うのです。

 嫉妬に対してプライドの因果関係は不思議ですよねえ。