あかんたれブルース

継続はチカラかな

草木も眠る渚の丑三つ時

 葬儀が終わった夜。
 日付が替わった二十日の深夜2時半に目が醒めました。

 昼間の興奮もあって、そのまま寝れない感じなので、星空でも。
 外に出ます。歩いてすぐそこが海岸。

 都会と違ってひっそりとしています。
 そのぶん、外灯の明かりがサーチライトのように眩しく追いかけてくる。

 それを逃れるようにもっと深い暗闇を目指します。

 外側の堤防の階段に腰をおろすと、もう星明かりだけ。
 月はどこかに行ってしまってありませんが、
 おかげで星がよく見えました。

 明るさが星を隠します。

 目の前の岩場に波が白く砕けます。誰もいない。

 ああ、こんなところで北朝鮮工作員に拉致されたら一発だなあ。
 とか、UFOとかに連れ去られたら、これまた一発だなあ。とか
 そんなことを考えるバカな中年男
 潮風を避けて煙草に火を着ける。

 東京の夜空と此処では星の数が違います。

 ふと、20メートほど下の岩場に目をやると白い影。

 フラフラっと移動したような? なに?

 目を凝らすと、また動く。フラフラっと。

 猫? かな?

 白い猫だろうか。動きは猫だ。あっ、止まった。猫?

 猫ってことにしておこう。

 しかし、こんな夜中に、猫が岩場の海岸に何しにきたのかしらん?

 喉が乾いて水飲みに? 塩水は飲みにこないよなあ。。。

 お腹が空いて魚でも捕りにきたの? まさか(汗)
 猫は水を嫌うよね。。。

 その時! 正面の岩場の先から

 ゲギャアー ゲギャアー

 という分けの分からない鳴き声。 鳥?海鳥?

 しかし、この辺り、カラスかトンビしか見たことないぞ。
 しかも真夜中じゃないか!

 で、しばらくして気味が悪くなって腰を上げました。グッバイセンチメンタル馬ちゃん。

 海岸公園を迂回して内側の堤防の階段を上ります。
 その時、白い何かが私の目の前を走りすぎた。

 猫です。白い猫。いやグレーのブチ模様のある白っぽい猫。

 ああ、やっぱり、さっきの白い影は猫だったんだあ。

 それでも。。。

 立ち止まる私の前を原付バイクに乗った男が通り過ぎます。
 新聞配達でしょうかね。

 私の進む方向にそのバイクも寄り道しながら付いてきます。

 実家に着き、時計をみたら3時半でした。約1時間外にいたようです。

 んんん、3時半?

 3時半に新聞配達するかあ?

 私は学生の頃新聞配達をしていた経験があるので知っています。

 南日本新聞の本誌が届くのが4時前なのです。
 だいたい4時15分頃に販売所に行って前日にまとめておいた折り込みチラシとまとめる。
 それから配り始めるのが早くて4時半から5時。
 その販売所から海岸地域は最後の配達地区になるので7時前後。のはず。

 なぜ、3時半に新聞を配れるのか。。。

 草木も眠る2時半から3時半めでの不思議な話

 でした。