あかんたれブルース

継続はチカラかな

久々の新ちゃんとの夜

 一昨日は小学校4年生からの親友で私の東京での唯一の地元の友人。
 例の新ちゃんと会いました。
 
 古いブログ友達なら御存知だと思います。あの新ちゃん。

      『ゲロ戦記』ついに公開
      URL: http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/14581700.html
      新ちゃんへの出せない年賀状
      URL: http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/26196452.html 
                                 など

 2年ぶり。
 5分で行くよ!と勇む彼とアーケードの西と東で泣き別れ。
 やっとのめぐり会いから店に入ったのは7時を過ぎていましたかね。

 新ちゃんも私もビールを飲まないので、コップ酒で乾杯して焼酎のボトルを注文します。
 秋刀魚の塩焼きは旨かったけど、アン肝は不味かったなあ。

 小学3年生からの友達。自分の半生の彼方此方を共有する友。有難い存在です。


 高校の野球部では彼と一緒にライトを守っていました。彼がレギュラー私は補欠。
 新ちゃんは歌が好きで、二人はいつも歌っていました。結構外野って暇

 新ちゃんの調子っぱずれの歌が風にのって監督の耳に届いたのか、
 よく見咎められては途方もないボールをノックされては拾いに行かされたものです。
 外野へのボールはその軌道を確認しなくてもバットの角度で解る。と言えば、

 「いや音で解る」

 と、相変わらずの負けず嫌いの新ちゃんがいます。

 そんな新ちゃんがある日を境に歌わなくなりました。
 その目線の先はサードを睨んでいる。
 彼は監督にこう言います。「なぜ俺をサードにしない」
 田舎の環境のなかでこういった自己主張はまずしません。
 部員たちの動揺するなかで、彼はグローブを投げてつけて言ったよ。

 それからしばらく経ってライトは私ひとりだけ。

 私も影響されてかセカンドへのコンバートを願いでますが、ものにはならなかったですね。

 次の地区予選で新ちゃんは4番サード。私は相変わらずサードランナーコーチ。補欠のまま
 相手は数年前に甲子園を沸かした鹿児島工業でした。それを粉砕!
 あの準々決勝の新ちゃんは輝いていた。最強の4番打者でした。

 そして私は野球を諦め、渡り鳥になるといって野球部を辞めます。
 バットからギターに持ち替えて青春の蹉跌と野望は、続くよどこまでも。


 新ちゃんの下手くそな歌を再び聴かされるのはそれから数年後。
 私たちは社会人になって東京にいました。
 「馬ちゃん、また失恋した(涙)」と言っては電話が来る。

 そして、私は受話器から聞こえる彼の傷心のバラードを聴かされる。一、 二曲じゃあ済みません。

 「ねえ、まだ?」

 妻の呆れた問いかけに、「もうちょっと」と苦笑する私。
 その話を蒸し返されて赤面する新ちゃん。記憶にないと言い張ります。



 店は10時半で出ました。ちょうどボトルの焼酎も空になり、
 私たちは川崎の駅に向かいます。
 飲み足らない新ちゃんは二軒目を拒絶する私に

 「馬ちゃん、ホテルに泊まっていこうよ」

 バカ、知らない人が聞いたら誤解するだろう!
 ビジネスホテルで朝まで語ろうというのですが、まるでじゃれつく仔犬です。

 東海道線の向かい合わせの座席でニコニコ顔の新ちゃん。
 車窓に映る二人の中年はあの頃の面影なんてありません。

 あっという間に品川に着くと二人はまた泣き別れ。
 新ちゃんは池袋方面へ、私はそのまま東京駅へ

 さて、次に会うのはいつでしょう。
 逆方向の環状線。それでも必ず重なる不思議な関係。
 
 グッバイ マイ フレンド 今度はカラオケでも行くか あの歌を聴かせてよ。