あかんたれブルース

継続はチカラかな

千夜一夜の与太話も佳境かな

 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」って作品はみなさん御存知ですよね。

 以前、少し記事にもしました。
 その記事のURL: http://blogs.yahoo.co.jp/djkxq447/19318108.html

 地獄に堕ちたカンダタに一本の蜘蛛の糸が下りてくる。
 神様も心ないことをするもんだと思います。

 確かに自分だけ良ければいい。っていうのは良くない。それは分かりますよ。

 でもね、蜘蛛の糸だし。

 それにカンダタが悟っていれば初めからそれを登ろうとはしない。

 カンダタに欲がなければ極楽まで登る体力もなかったでしょう。

 それに、蜘蛛の糸

 下を見たら大勢の亡者が後から後から登ってくる。

 彼はどうしたらよかったのか?
 あきらめて、グッバイって、手を離せば良かった?
 気がついたらそこは極楽。ってオチ?


 この世の大切なキーワードに「無私」というものがあります。

 たぶん、芥川龍之介はそれを伝えたかった。だろうと

 でも難しい。「無私」の効用がではなく、伝えることが。

 よく詐欺や新興宗教が悪用しているので余計に厄介です。


 あの蜘蛛の糸はお釈迦様が垂らした極楽へのパスポートというよりも
 人と人を繋ぐ細い糸だったような気がします。

 その糸を耳にあてれば、微かな震動が聞こえてくる。

 小さな囁きを感じる。

 伝え合う、共鳴し合う、ふるえる心の結びつき。

 細い糸は「六次の隔たり」を越えて、結ばれている。