コミュニケーション能力(マー君の場合-2)
あれあれ? 海軍は旅順要塞を攻略してくれって頼んだはずじゃないのに、
話が一人歩きし始めましたよ。
総司令部の児玉参謀長はそれ以前から「旅順は捨て置く、決戦は満州」と位置付けていたのに。
しかたありません。陸軍と海軍は中が悪い。
メンツがある。ガキの使いじゃありまいし、海軍の都合に合わせられるか、ケッ。
ですかね(汗)。
それに戦争は軍人のパフォーマンスアピールの場。勲章と栄光が欲しいわけだ。
もちろん、マー君にそんな生臭い野望はありません。
さっそく、「軍団長の在り方マニュアル」を読み耽る。
そう、やっぱりリーダーは薩摩型。大山司令官の如く、部下にすべてをまかせる姿勢が大事ね。
と、どっこの啓蒙本に深く影響されてしまう。
そして、旅順へ向かう船中のなかで、こんな詩を詠みます。
「急ぐなよ 旅順の敵は逃げはぜじ よく喰って寝て 起きて戦へ」
あ〜あっ、マー君は人の言っていることを何も聞いていませんでした。
旅順にじっくり腰を下ろして闘っていけない。
はやくしないとヨーロッパからもうひとつのロシア艦隊がやって来る。
速やかに片づけないとダメなのよ(汗)。
さあ、目的の二重構造が生まれたなかで、
マー君はマー君で本質とかけ離れた姿勢で旅順に向かいました。
そして寝れなくなるのだった。。。