コミュニケーション能力(マー君の場合-1)
親から虐待、友人からのイジメ、そして不本意な進路の強要。
モラトリアムを脱せぬマー君は軍人となって長州閥の一員として出世していきました。
酒と女に逃げても、彼の不安は拭えない。結婚してもダメ。
途方もないコンプレックスに苛まれています。
それがドイツ留学で変身した。服装と様式のオタクになりました。
形からです。
そして、彼は理想的な武人になろうと決心します。いや実行してやった。
そんな彼にも黄昏がやってきます。
同じ長州閥の桂太郎との不仲。
そして、台湾総督府の長官としての仕事の失敗。
マー君は正義感いっぱいで取り組みますが、不器用なのです。
理想と現実を繋げられない。
後任の親友児玉源太郎がそれを見事にやってのける。
黄昏のマー君は数回の休職を経て、予備役に。
津和野の農夫として、その軍人生活にピリオドを打とうとしていた。
時に、日露戦争勃発。けれどもマー君はお呼びじゃない。さびしい。
ところが、海軍が旅順港に隠れて出てこないロシア太平洋艦隊を攻めあぐねてしまいます。
そこで、海軍は陸軍に旅順港を守る要塞の裏から港内の敵艦隊を攻撃して、
撃破もしくは港の外に追い出してくださいと懇願します。
陸軍の海軍の不仲ななかで異例というべき共同作戦の提案です。
陸軍ははりきった。
そして、予定外の第三軍という軍団を作ります。
その軍団長にマー君が指名された! 階級も大将に格上げ。
旅団長(少将)<師団長(中将)<軍団長(大将)<総司令官(大山巌)<元帥(明治天皇)
マー君、張り切る。「最後の御奉公だ」
ここから新たなマー君の悲劇のはじまりです(涙)。