引き寄せの法則の考察(8)
『ザ・シークレット』では後半一転して、その方策として、
「愛」と「感謝」の重要性を説得します。それでも、
「その欲望や求めるもの」は無尽蔵で決して尽きることはない。
だって、宇宙の法則なんだもん。とも付け加えている。真理なんだと。
でもさ、この本が中国に渡って、中国人が豊になりたいと考える。
仮に「マイカーが欲しい」となったら、それがみんな実現する過程で、
地球は一発でアウト。です。違うの?
インドで低価格車が発売されました。最初はみんな驚き喜んだ。が、
これもまた脅威と恐怖の的になってしまっている。
中国やインドの人たちの豊かさを求める気持ちに誰が意見できるの?
こういった一元論的な考えは、さすがはキリスト教的な発想がベースにあるのでしょうが、
という以前に、人間にも性格や個人差がありますからね。
私はさほど車なんて欲しくない。
お金お金というけれど、いったいどこまでそれを本気で祈れる人がいるのか。
たいていはそれが叶っていく段階で、1000万で手を打つ人、1億で手を打つ人、
10億で、100億で、1000億で、1兆円で、と人それぞれですよね。のはず。
限りない欲望と井上揚水は歌ったけれど、そのスケールにも個人差があります。
この本でも金じゃないモノじゃないと訴えてはいるのですが、
なんせ読者ってものを結局は俗でアホだと捉えているから(まあ事実だけど)
どうしても本質を語る部分が多くなると、目先の餌をちらつかせてしまう。
計画的、戦略的、戦術なのだと胸を張るでしょうけれどね。
人間の究極の望みとは何かと問えば、幸せになること。ですよね。漠然としてますが。
結局、お金も物も社会的地位の確立のそのための道具にしかすぎない。
けれども、その準備に熱心すぎて、本来の目的以上にその準備に重点が置かれてしまいます。
で、何するはずだったの?
・ ・・
まっ、取り敢えず。ってとことでしょうかね。
こういった曖昧な目的は危険なのです。とても。
この本では「寄付」しろと言うのですが、寄付ねえ。。。反対はしないけれど、
そのために強く願えるものだろうか。。。お金お金って(汗)
金を貯めるよりも使い方が難しいものです。
人にはそれなりの度量があって使える金も限界があるし、
下手に分相応のお金を握ってダメになるケースも多々あります。
家を持ちたいと願う人は多いと思いますが、
実際に家を持ってしまってから、大きな厄災に遭遇するケースは多いものです。
ここにも何か得体の知れないメカニズムがあります。
余談ですが、
みずほ銀行のひとつになっている第一勧業銀行の新橋支店の金庫には
宝くじの高額当選券が保存されていました。
1億円の当たりくじが束になってる(汗)。
この引き渡しに本人が出向くのですが、手続きの際に色々面談するとか。
長年この担当をしていた方の話では、
傾向として、切迫した境遇の人に当たるケースが多いと語っていました。
ここにも引き寄せの法則はあったようです。確かに、あることはある。
でも、何か欠けている。
この本の前半と後半を繋ぐブリッジのようなものが、
この法則を包む器のようなものが、
欠けている。
確かに、電気の原理は分からなくても、
熱することはできるのは分かっても、なぜ冷やせるのか分からなくても、
スイッチを押すことで、私たちは家電製品を使いこなせる。
まあ時には使用上の注意をよく理解しないで火事を出す人もいるよね。
かといって、全品回収することもない。と思うですが、どうでしょう。
長くなりました。あと、一回か二回で終わりにします。