あかんたれブルース

継続はチカラかな

ルビンコン川か大井川かそれとも節義か

 越えられる一線、越えられない一線。の話の続きです。

 19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した
 ディクソン・D・ワッツという伝説の投資家がおります。アメリカ人ね。

 彼は優れた投資家になるための5つの要素が必要だと提唱した。

 「自信力」「判断力」「断行力」「沈着力」「融通性」

 なんだ、投資の話かよと、わたしには関係ないって考えるのは早計。

 投資と人生の法則は基本的に同じです。

 人生にも相場観というものが必要であり、その運用法はまったく同じ。

 結局は誰でもが、幸せになりたい。

 これが、人生最大の目的といって過言ではありません。違いますか?

 銭ゲバの話をしているのではありませんよ。決して。


 ワッツの話に戻します。

 この5つの要素を五角形の各頂点に置くとします。

 あなたは自己採点として、自分自身の能力をどうジャッジしますか?

 融通性はあっても断行(行動)力がイマイチとか、
 自信力はあっても沈着力に欠けるとか人それぞれですよね。

 なかには断行力が突出しているタイプの人もいるかもしれません。

 でもね、ワッツはバランスが大切だと言います。

 この五角形の中心から各頂点を正円で結すんだ大きさが私たちの「器」の大きさ。

 楕円ではありません。正円。だからどんな突出した能力があっても
 それは円の外にある。わけだ。

 全体の頂点(能力)を上げていけば、その円周(器)は大きくなります。
 できるだけ、自分の得意とする能力に近づく(生かす)ことにもなるでしょう。

 個性の重視、教育といいますが、本当の特性を生かすにはシビアな訓練が必要なのですね。

 では、ある能力が突出している天才肌の人間はダメなのかと思う人いるでしょう。
 そういう場合は良き理解者、良き協力者が存在したのでしょう。

 天才が認められ評価されるケースはレアです。だから天才なんだな。

 
 話を変えて、この点と点を結ぶ線。
 この線が越えられる越えられないのボーダーラインと考えてもいい。

 今現在、自分はここまでは無理だなあと思うことがあるとすれば、
 そこがあなたのボーダーです。何かにメモしておくといい。

 数ヶ月後、数年後、ふり返ってみて、あれ?
 今はなら出来る。あの頃はとても出来なかったのに。と思えれば
 あなたはそのラインを越えたことになります。
 当然、円周は大きくなっている。器も大きくなりました。

 とは別に、越えないところにも価値はあいます。

 どんなに苦しくても、これだけは絶対に「やらない」。
 それを守りと通せるか否かも大切なことです。

 漢楚戦争で劉邦の武将として活躍した韓信の「股くぐり」
 「ならぬ堪忍するが堪忍」

 もあれば、どんなに苦しくても自分の節義を貫いた英雄は数多存在している。

 その違いのヒントは、なぜ、その一線を越えられないかという「動機」にあります。

 そういうことを考えてみるのもいいのではないでしょうか。

 煩わしく思わないで

 誰のためではなく、自分のために。


 越すに越せない大井川

 欲と道連れ世は情け

 この「欲」っていうものの解釈が勘所のようです。