あかんたれブルース

継続はチカラかな

いい人というものには気をつけろ!

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 日本人は、

 と語ろうとすれば、ナショナル週末フェアと言われそうですが、

 まあ平井堅のような彫りの深い馬太郎が歌っていると思ってください。
 耳元で(フーっ)←息がかかるほどに

 ♪ お、おっきな、ノッポの ふる時計〜

 の様なモノです。日本人って。

 強盗事件だとバールの様なモノ。硫化水素だと玉子の腐った様な臭い。
 と相場が決まっていますが、

 日本人は大きな古時計で長い大きな振り子を揺らしている。
 タヌキの金玉でもよかったもですが、今日は少しアカデミックに。

 敗戦によって日本はそれまで価値観を180度かえて、大きく振り子が動きました。

 米ソ冷戦時代。そのアメリカでも社会主義共産主義は台頭していた。
 あの田中角栄の秘書だった早坂さんもバリバリのマルクス・レーニン主義者だった。

 毎日ハムが食べられるといって、両親と共に海峡を渡った少年の目は輝いていた。
 そこは地上の楽園だと。

 『竜馬がゆく』が産経新聞で連載スタートされたのが1962年。
 翌年、文芸春秋から単行本で発売。大河ドラマにもなりました。

 戦前の昭和維新とは別に、若者は志士に憧れました。

 いまでこそ、その結果は誰でも分かっているでしょうが、
 当時はどっちに転ぶか予想がつかなかった。

 それを危惧した自民党は関東のやくざを上野は下谷神社に大集合させて、
 機動隊の助っ人にする手はずだった。安保闘争です。

 そして、若者は挫折する。

 振り子が大きくまた揺れます。右から左ってわけじゃない。

 個人主義に奔ってしまった。

 それは団塊の世代からはじまっています。

 豊かさがそれに追い風となり、心の文化からモノ文化に向かう。

 従軍慰安所の凄腕マネージャだった大宅壮一はニッポンの現状を嘆く。

 「一億総白痴化」だと。テレビの普及ね。

 映画館と違って茶の間の劇場は明るいですから時計が見れますからね。
 30分もの60ものでだいたいのストーリーが把握できます。
 良い奴悪い奴も役者で判断できるし、ラスト5分前に死んじゃう奴も察しがつきます。
 
 お決まりの定番ストーリーから世間を学ぶ。


 そして、私たちはいい人にならなければならない。

 理解ある、包容力ある、喜怒哀楽を表に出さない。嫉妬されない。

 笑顔を絶やさず、拒否権を発動しない、知性あふれる無欲な、いい人。

 だってそれが幸せの法則なのよ。
 下手を打ったらラスト5分で死んじゃうもん。

 情報量はそれで充分すぎるほど賄える。

 個人主義は無関心、それが現実主義者の証、それが知性。
 笹沢左保木枯らし紋次郎に言わせた「あっしには関係ございません」
 1972年。原作は1、2年早いでしょうかね。タイムリーでした(汗)。

 考えないこと、拘らないこと、そして比較することだけに奔走していきます。
 月とスッポン、ピンからキリまで見渡して、私は中流のどのへんかしらん?
 安心したりヤキモキしたり。

 そして自由を求める個人主義者。モンロー主義なのよ。

 だって自分のことで精一杯なんだもの。まず、自分から。えっ?どこまで?

 安心できるところまで。

 だからこれ以上私に踏み込まないで、私にノーと言わせないで。
 
 私はいい人でありたいの。

 
 気をつけろ、個人主義の罠がそこにある。
 保身に奔る処世術が通用しないことは立証されてしまった。
 先送りすることは事態を悪化させるだけ。

 その結果がこれだ。

 風もないのに ブーら ぶら