あかんたれブルース

継続はチカラかな

ペリーさんの鯨から


 今から153年前の1853年に日本は揺さぶり起こされました。

 ペリーの黒船来航ですね。

 その目的のひとつは捕鯨基地確保だったっていうのですから
 グリーンピースもびっくりです。

 彼らは鯨から油をとっていました。
 それだけ。ものの有難味を知らない困ったアングロサクソンです。

 これが切っ掛けで、日本は世界各国と不平等条約を結んでいきます。

 明治維新から日露戦争まで、
 日本はこの条約改正のために血道をあけて奔走します。

 これが日本の近代化のエネルギーとなったわけですね。

 尊皇と同じくらいに攘夷思想が強かったのもこのせいです。

 条約改正は何度も試まれたのですが、反対反発が強かった。
 なぜ? まあ今でいえば、北方領土返還を全島か段階的にやるかの論争に似ていますかね。

 鹿鳴館外交なんてアホな政策で本気で条約改正できるって思っていたんですね。
 私たちは文明人ですよ。というパフォーマンスです。
 これが余計に日本人の火に油をそそぐ結果となります。当然成果なんて無し。

 当時、日本を訪れた列強諸国の外国人は、日本がこれまで自分たちが
 蹂躙してきたアジア人や支那人とは異質であるとは感じていましたが、
 キリスト教を信奉しないこの国の民にやっぱり不安を感じます。

 そうのときに、新渡戸稲造がいや日本人には古来からの道徳心がある。
 それを伝えるために「武士道」というタイトルのテキストを作った。
 彼がもし、士族階級の人間でなければ、タイトルは
 「匠の技」とか「どてらいやつら」とか「明るい農村」になったかもしれません。

 さて、日本の日清・日露の戦役を「侵略戦争のはじまり」などと
 解釈する識者やそれに影響される方々がおりますが、それは違いな。

 要はこの不平等条約を改正したかった。真っ当に扱われたかったのです。

 それを喩えれば、

 日清戦争は日本合資会社ジャスダックへの上場であり、
 日露戦争は株式会社日本の一部上場であります。
 三等国から一等国の仲間入りをしたかった。そして条約改正へ。

 侵略というのが当たらないのは、実際に自分の国の経営が左前で
 植民地経営をする余裕も経済力もありません。
 実際に三国干渉を受ける遼東半島に設備投資を行えば日本は破綻してたかもしれない。

 藩閥政治として批判される、明治の政治家たちで、
 日清、日露に賛成した政治家なんていません。金も自信もないんだもの。

 両戦争を実行させたのは、

 日清戦争であれば、
 民間人の国士・荒尾精と軍人・川上操六のコンビ。

 日露戦争であれば、
 民間人の国士・杉山茂丸と軍人・児玉源太郎のコンビ。

 たった二人の人間の秘密結社が日本の命運を変えた。
 非常にダイナミックであり、まさに現実は小説や陰謀説やマンガよりも

 奇なり。

 です。

 こういうところに、あまり武士道を感じない。
 なんかスケールとかステージとか次元が違うんだよね。

 かといって、この四人。非常に素敵な日本人です。
 そこなんだよね。