あかんたれブルース

継続はチカラかな

優等でも劣等でもダメなものはダメ

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戦争と平和(8)『銀河英雄伝説』から人材について



 人間の優劣、有能無能は学業の成績や試験では測れないという話です。

 東条英機石原莞爾犬猿の仲だったというのはお話しましたよね。

 東条の父は陸軍大学の一期生で主席。それはもう相当な秀才でいたが、
 薩長閥ではなく(盛岡藩出身)で、山県有朋の嫌われ、
 陸軍随一の理論派でありながら「実戦不向き」というレッテルを貼られて
 日露戦争後に中将で予備役に退かされてしまう悲劇の軍人です。

 さて、息子の英機は太平洋戦争時には首相にまで登りつめた人ですが、
 成績はあまりよくなかったようです。

 陸軍士官学校は(クラス50人中)42位で卒業。
 陸軍大学は3度目の挑戦でようやく合格している。

 父親の無念とは別に、コンプレックスもあったかもしれませんね。
 彼は謹直な努力家として、その劣等感をバネ(?)に政治的な行動に奔走する。


 対する、石原莞爾は勉強しなくても成績のよいタイプ。
 教官に対しても反抗的な態度をとったり自由気まま、それでも優秀。
 陸軍大学は次席卒業ですが実質は主席。
 (石原の言動に不安を感じた大学側の対応)

 とにかく目から鼻へ、天才肌の硬派インテリの典型です。


 この石原が上官である東条英機を徹底的にバカにそていました。
 「東条一等兵」とか。
 二人の対立は石原の陰険な人事手法で石原を予備役に追い込んでしまう。

 東条の勝ちと言えば勝ち。

 少し過信があったのでないか石原莞爾の負けと言えば、負け。

 でもね、そんな個人的な勝ち負けは別として、
 東条が権力を握ることでの日本の厄災は計り知れない。
 無論、東条英機だけのせいじゃないですけどね。


 要は、学校の成績は関係ないってことです。
 劣等感がバネになることも、また善し悪し。真面目過ぎるのもダメ。
 また、天才的な人物でも限界があるようですね。そして良識派も頼りにならない。

 じゃあ、優秀な人材って何? 

 話を(久々に)明治の怪人「杉山茂丸」に移します。